私も最初はAthlon64 X2でPCを組みたいと考えていた。
結局、そのパフォーマンスの差でCore2 Duoをセレクトしたワケだが、Athlon64 X2に大きな問題があったワケではない。
というか、平均的な動作だけで言えば、その素性からCore2 DuoよりもAthlon64 X2の方が消費電力も低い。Core2 DuoはたしかにTDPは65wかもしれないが、平均消費電力ではTDPが89wのAthlon64 X2の方が低い。
結局、TDPというのは最大値を言っているだけであり、アイドル状態がほとんど続くCPUの場合は、平均消費電力の方が大きな意味を持つ。
実際、Intelでも最新の45nmプロセスのCore2 ExtremeのQX9650では発熱量が従来の65nmプロセスCore2 Extreme品から比較して激減しているという。
よくAthlon64 X2は発熱が大きいとか言われがちだが、それは数値で判断しているだけと言えるのかもしれない。
そんなAthlon64 X2を使った初心者向け自作キットがCFD販売から発売される。
PC Watch AMDらくらくキット
この初心者向け自作キットは上位キットと下位キットがあり、上位はAthlon 64 X2 4400+と2GBメモリ(1GB×2)、Jetway製マザーボードのM2A694-GDG-PBを同梱して実売24,800円前後くらい。
下位キットはAthlon 64 X2 4200+と1GBメモリ(1GB×1)が変わるだけでマザーボードは共通となる。実売21,800円前後くらいになる。
同梱されるメモリは同じCFD販売のElixirシリーズ(動作確認済みで規格はPC2-6400)が付属するという事で、いわゆるバルクメモリではないため、その動作は安心していいだろう。
また同梱マザーボードは、AMD 690Gチップセットを搭載し、ビデオ機能はオンボードになっている。DVI出力を持っているため、液晶モニタと接続する場合も困る事はないだろう。ちなみにボードサイズはmicroATXになる。
その他、組み立てをガイドする“AMDらくらくキットマニュアル”が添付されるという事で、初心者はこれを見ながら組み立てれば問題はないだろう。
この初心者向け自作キットとよく市販されているベアボーンキットと合わせるだけでPCが1台組み上がる仕組みというのは、初心者には非常にわかりやすい構成なんじゃないかと思う。
ただ…
ある程度自作する事が問題ないという人の場合は、それぞれのパーツを自分でセレクトして購入する方が安い。
しかしながら、依然として自作の世界では考えられないような、組み合せによる誤動作なんてのが全くないとは言い難い。
初心者がもっとも困るのは、自分が全く間違った組み合せをしていないにも関わらず正常動作しない時だ。
実のところ、私の環境で今ちょっとした問題が出ている。
ちょっとした…と言っても、場合によっては起動しなくなる可能性があるため非常に怖い問題ではあるのだが、電源投入後の一回目の起動がかならずコケるのである。
これはマザーボードのBIOSをアップした後に発生するようになったため、問題はBIOSにあるのではないかと考えているのだが、Windowsの起動画面でロゴマークが出てくるところで必ずフリーズのような、動作が止まる状態になってしまう。
リセットボタンを押して再起動すると、そこからは問題なく立ち上がるのだが、原因がほんとにBIOSにあるのか、また構成部品の組み合せによって発生する問題なのかが特定できていない。
この問題に対し、今私が考えているのはBIOSを元に戻すことなワケだが、初心者の場合、こういう時の判断がなかなかできない事が多い。まぁ、初心者はBIOSアップデートという事そのものをしないかもしれないが、これが購入時から発生する問題の場合がないとは言えない。
私にしても、BIOSを元に戻すことで直ればよいが、直らない可能性もあるわけで、ここら辺になってくると素人ではどうにもならない領域に入りかねない可能性がある。
つまり、メーカーがある程度動作確認をしてしまっているキットである場合は、そうした問題にぶつかった時の確認が容易というメリットがあるワケだ。
自分で解決できない場合の対処という意味において、キット構成はかなり安心できると言える。
初心者で自作の道を進んでみたいという人の最初のステップとしては、今回のキットは良い者ではないかと思う。