次世代DVDとしてBlu-ray DiskとHD DVDが争ってきたワケだが、ワーナーがBlu-ray Disk一本化を決めた事によって、いろいろなところで変化が起き始めている。
これは光メディア界の化学変化とも言えるもので、リトマス試験紙が赤から青に徐々に染まっていく姿に似た光景が見え始めた。
早い内からMicrosoftはHD DVD陣営につき、Xbox360では外付けながらHD DVDユニットを発売した。
そのMicrosoftが、顧客の要望によってはXbox360でBlu-ray Diskをサポートするかもしれないとコメントした。
もちろん、これは直接的にHD DVD陣営からの離脱という意味ではない。
しかしながら、顧客が求めればBlu-ray Diskをも取り込んでいくという姿勢を示した事には間違いが無く、市場動向に併せて変化させていくというスタイルを採った。
ITmedia MS、XboxのBlu-rayサポート検討も
だが、真に驚かねばならないのはMicrosoftの動向ではない。
他にも焦臭い報道があるのだ。
ITmedia 「HD DVD陣営から20社離脱へ」とTIMES報道
この報道によると、HD DVD陣営の20社が同陣営から離脱する準備を進めているとの事。
この20社の中にはパラマウントピクチャーの名も挙がっており、映画配給会社の大手がぞろぞろと離反していく姿が見て取れる。
またポニーキャニオンまで離脱を検討しているらしく、いよいよHD DVDは暗礁に乗り上げそうな雰囲気である。
消費者から観れば、むしろ2つの規格が混在している状況というのは非常に好ましくない。
ソフトの種別において混乱を招くばかりか、ハードウェアの購入時においても、どちらの再生と記録ができて…などと細かい所をいろいろ意識しないといけなくなる。
私がBlu-ray Diskを好んでいたのは、実は最初のBlu-ray Diskは、すべてカートリッジに収まったカタチだったからだ。
だが、今はカートリッジレスのBlu-ray Diskが普通に使われていて、当初の私の目論見とは違う方向に進んだ。
だが、カートリッジレスとなっても、Blu-ray Diskの利点は他にもある。
それはHD DVDよりも容量が大きいという事。
HD画質が進んでくれば、どうしても記録されるビットレートが向上するばかりか、長時間録画などが期待される。
その時、より大容量のメディアが消費者に喜ばれるのは当たり前の話で、それはベータマックスとVHSの時と同じ結論へと進むハズである。
たしかに、HD DVDはDVDとの共存が非常に簡単な規格かもしれないが、HD画質を求める人からすれば、何も従来のDVDと同じ線上で捉えなくても良いわけであり、Blu-ray DiskだからといってDVD再生機能を持たせる事ができないか?と言えばそれも間違いなのである。
2008年に、おそらく次世代DVDのフォーマット戦争はより大きくBlu-ray Disk側に傾いていく事になるだろう。
ハードやフォーマットが市場を作るのではなく、あくまでも消費者が買っていくソフトウェアで市場は形成されていく。
この流れはそう簡単に変わることはないだろう。