最近auが元気がないなぁと思っていた。
docomoは相変わらずだが、SoftBankがiPhoneの新型を出したりと比較的アクティブな動きを見せていたため、auはその影になって目立たなかったなぁと。
そんな中、2009年の秋から2010年の春にかけて発売する携帯電話の最新ラインナップを発表してきた。
その新型の中には、とうとう12Mピクセルを超える解像度のカメラ機能を持つものまで出てきて、それはもうケータイなのかデジカメなのかよくわからない状態。
まぁ、デジカメとケータイが一つになれば、たしかに持ち運ぶものが一つ減るわけだが…そういう理解でOKなのだろうか?
その中で特別私が気になったのが、この“EXILIMケータイ CA003”である。
もっとも、他の機種にはWiMAXや無線LANとのデュアル通信をサポートしたものやスリムである事や防水である事をアピールする機種もある為、EXILIMケータイがその中で飛び抜けて優秀という事ではない。
ただ、カメラという機能をここまで搭載してきたかという事で私が気になっただけであり、前述したように、これだけの機能があればデジカメを別に持ち歩くという行為そのものがなくなるだろうなとは思った。
このEXILIMケータイ CA003だが、前述したようにスペックとしては1217万画素のCMOSセンサーを搭載し、オートフォーカス・手ぶれ補正機能を搭載し、顔を認識してピントを合わせる機能などが利用できる。
カメラのレンズは広角寄りのもので35mmネガフィルムカメラ換算で28mmmレンズとなり、最大ISO3200までのマニュアル感度設定に対応する。
また画像処理プロセッサーとして“EXILIMエンジン for mobile”を搭載し、12Mで撮影した場合、約3倍のデジタルズームを実現した“超解像デジタルズーム”を新搭載している。
デジタルズームは、画像を拡大表示することになるため、どうしても拡大画像がぼやけてしまうという現象が起こる。そのため他ケータイでは最大サイズの撮影ではズームできない場合も多いのだが、“超解像デジタルズーム”ではエッジを際立たせることでデジタルズームでも従来よりきれいなズーム画像を実現可能とした。
また、1秒間に20枚(1600×1200ドットの2Mサイズ)の写真が撮影できる“高速連写”機能も搭載されており、20枚の中からベストショットを取り出す事もできれば、20枚全てを保存する事も可能としている。
スペックをざっと並べただけでも、既にケータイカメラという枠を大幅に超えている事がよくわかるだろう。
このケータイがあれば、あとはデジカメを別に持ち歩く必要は殆どないと思われる。
で、ここでふと思うわけである。
所謂コンパクトデジカメの時代はもう終わったかな、と。
デジカメの世界では既にその殆どの機種が一眼デジカメへと移行しつつあり、話題になっているデジカメは一眼レフデジカメであるのか、はたまた一眼デジカメなのかの違いでしかなくなっている。
ニコンやキヤノン、ソニー、ペンタックスなどは一眼レフデジカメで攻勢に出てきているし、オリンパスやパナソニックはマイクロフォーサーズ規格の一眼デジカメを売り出しているが、それらは共にレンズ交換式のデジカメであり、既にコンパクトデジカメの域ではない。
写真好きであれば、もうデジカメであろうとコンパクトデジカメを使う事そのものをしなくなっているような気がするし、まして今回のEXILIMケータイ CA003などが出てくれば、ケータイでコンパクトデジカメの用は足りてしまう。
そうなると、コンパクトデジカメは製品として今後どの方向に向かっていくのかがかなり気になる。
たしかに価格面で言えばコンパクトデジカメはまだまだ魅力的と言える。
だが、ケータイ付きデジカメ…いや、デジカメ付きケータイ(どっちでも同じか)が今後もっと増えてくると、つまり機能的にコンパクトデジカメの機能を集約したケータイが当たり前になると、コンパクトデジカメの存在をまず見直す所に来てしまう。
正直言うと、私が持っているケータイ、docomoのP-02Aのデジカメ機能でも既に十分な性能であり、普通に使うデジカメとしての用は足りている。今後はそれがもっと加速するワケである。
こう考えると、コンパクトデジカメはこの先姿を消していくのではないかと思ったりする。
いや、姿を消しても問題がないレベルに来ているのだろうと思う。
デジカメメーカーはこのあたりをもっと真剣に見ているだろう。
単純に売り上げに直結するのだから当たり前である。
今はケータイもデジカメも驚くほど売れる時代ではなくなっているだろうから、ここから排他行動が目に付いてくるだろう。
そうなったとき、生き残るのはレンズ交換式のデジカメだろうし、そのレンズ交換式のデジカメにしても、動画撮影カメラとの融合が待っているような気がする。
スチル写真のようなデジカメとケータイは切っても切れない存在になり、今後はよりカメラ機能が充実したケータイが当たり前となる。これは今の流れから見て間違いない状態だと思うし、そのカメラ機能は高機能である必要はないが高性能化していく事は間違いない。
どれぐらいの期間を経てこのような市場になっていくかは分からないが、その片鱗が既に見えてきている以上、そんなに遠い話ではないだろうと思う。
ケータイの価格が5万円を超えている今、その価格内にコンパクトデジカメの価格が含まれる時代がもう来ているのだから、今既にそういう状態になっていると言ってもいいのかもしれない。
今回、auはその流れにちょっと加速を加えただけなのかもしれない。
iPhoneで出来る事を考えれば、この変化はホントにささやかなものなのだろう。