先週のアキバで“XPではフルに性能を発揮できないHDD”が発売された。
Western Digital製の3.5インチHDD“WD10EARS”がそれで、最新OS向けのフォーマット技術である“Advanced Format Technology”が施されている。
このAdvanced Format Technologyは、物理セクタあたりのデータサイズを従来フォーマットの512バイトから4,096バイトに拡大する事で記録密度を向上させる技術で、次世代OSには採用されているフォーマットの事。
通常では512バイトセクタの前後にリードイン、セクタギャップ、ECC(エラー訂正符号)が付加される物理構造を採っているが、Advanced Format Technologyでは物理的なセクタ長を4,096バイト=512バイト×8個分に拡大している。この物理上の1セクタ(4,096バイト×1)を論理上の8セクタ(512バイト×8)としてエミュレーションして、削減された(7個分の)リードインとセクタギャップ分で容量効率を上げている。
この手法により7~11%の容量を節約でき、セクタあたりのECC増加によりエラー訂正率も50%向上させる事ができる。
効率もさることながら、何よりもエラー訂正率が向上するという部分には相当のメリットがある。
だが、このAdvanced Format Technologyに対応しているのはWindows Vista/7であり、XPでは性能を発揮できないばかりか、性能低下となってしまう。
今回のこの製品をWindows XPで使用する場合は、Western Digitalから設定を変更するUtilityが公開されている為、フォーマット前にそれを使ってXPに最適化する必要がある。
今後、このAdvanced Format Technologyに対応したHDDは増えていくと言われていて、HDDの業界団体であるIDEMA(International Disk Drive Equipment and Materials Association)は4,096バイトセクタを「BigSector」として提唱し、2011年に移行することを発表している。
今後、32bit OSのWindows XPなどはHDDを増設する際にはフォーマット前の“ひと手間”が必要になっていく。
早いところWindows 7に移行しろ、という事かもしれない。多分、そういう事なのだろうと思う。
2009/12/15 • no comments