ビデオカード関係の話をしばらくしなかったのは、なんかもうどうでもよくなってきた感じがしたから。
正直、今のプロセス世代では、もう性能的に頭打ちに近いような感じがするからだ。
40nmプロセスから32nmプロセスをキャンセルして28nmプロセスへと次に移行するが、おそらく本命と言えるようなビデオカードは28nmプロセスの時に登場すると思われる。
…まぁ、あと1年くらい先の話って事ですな。
今の40nmプロセスのビデオカードは、最初期に発売されたRadeon HD 5870&5850シリーズが、実によく出来たビデオカードだった。その事を、今の新製品であるRadeon HD 6900シリーズが証明する形になってしまったのは、何とも皮肉としか言い様がない。
いろんなサイトが、NVIDIAのGeForce GTX 580や570、そしてRadeon HD 5870や6970&6950などのベンチマーク結果を発表しているが、性能的にはNVIDIA、消費電力や発熱量ではRadeon HDシリーズが優秀という結果に落ち着いている。
Radeon HD 5870があまりにも優秀だったため、今回新アーキテクチャを搭載してきたRadeon HD 6970は期待度が高かった。しかし実際には大きな性能向上となったとは言いがたく、コストパフォーマンスだけで言えば、今の時点でRadeon HD 5870を購入するのが一番お得という結果が見えている。
また、12月頭に発売されたNVIDIA GeForce GTX 570が費用対効果が結構高く、消費電力さえ問題なければお薦めできる製品。結局、万人にお薦めできる製品が未だ登場していないのが、今のビデオカードのトレンドである。
年末、まとまったお金が手に入る人の中には、ビデオカードを新調しようという人もいるだろう。
そんな人には今のビデオカード業界は結構厳しい状態だと思う。
買って損をしないビデオカードとなると、実に迷いどころだ。
消費電力は特に問題視しないが費用対効果の高いビデオカードが欲しいというのなら、今はGeForce GTX 570がお薦めかもしれない。
コストパフォーマンスが580よりもずっといいし、性能も480を超えるあたりが良い感じ。しかも電源は6ピン+6ピンで済む。
今回登場したRadeon HD 6970は、残念なことに8ピン+6ピンになってしまった。前世代の5870が優秀だったのは、性能の割に省電力&低発熱だった事。
今回は6950が6ピン+6ピンで性能はほぼ5870と同等かその上を行く感じ。
つまり、ミドルハイレンジを狙う人にとっては、前世代でGeForce GTX 480の性能を持つ570か、Radeon HD 5870の性能を持つ6950が、コストと消費電力のバランスがもっとも良いビデオカードという事になる。
ハイエンドへ行く(行ける)人とそうでない人の境目はこのあたりに落ち着きそうである。
で、もう一つ下のランクを考えている人は来年1月20日過ぎまで待ったほうがいい。
どうもこのあたりにGeForce GTX 560が発表になるらしい。
フルスペック版GF104とも言うべきGF114を採用する同カードは、おそらくコストパフォーマンス抜群のビデオカードになると予想される。
性能的に5970と同等まで引き上がる…事はないだろうが、現世代の6950の下に位置づけられる製品になれば、かなり良好なポジションにある製品になると思われる。
しかし…今や2大メーカーの威信を示すだけのような新製品ラッシュにしか見えない。
性能頭打ちならおとなしく28nmプロセスが出るまで新製品を練りこんでくれればいいのに…と思うのは、他分私だけではないはずだ。