ニンテンドー3DSのマジコン対策

　既にネット中で広まった話なので知っている人も多いと思うが、毎度の事、時期を外した段階で私なりの話を記載したい。
　マジコン…を今更説明するまでもないが、データとして吸い出されたゲームROMのデータを実行可能なデバイスをマジコンという。
　一部のマジコンでは吸い出しも可能なのではないかと思うが、吸い出す場合、ROMスロットが2つ必要となるか、あとは無線でデータを飛ばして吸い出すしかない。しかし実際は無線LANでデータを飛ばすというのは考えにくいため、ほとんどの場合はGBAスロットと併用した形での2スロットで吸い出すのが一般的。つまり、吸い出しに使われるのはニンテンドーDS、もしくはDS Liteという事になる。
　DSiなどでマジコンを利用している人は、ほとんどのケースでどこからかデータを持ってきて(ダウンロード等)利用している人で、オリジナルのゲームROMから吸い出したデータを利用しているケースは少ない。これがコピー問題として取り上げられているもので、被害総額は計り知れないものになる。

　今回のニンテンドー3DSも、そういう意味ではマジコン対策がどういったものになるか注目されていた。

　任天堂はDSiの時にファームウェアで対策を施したが、これが抜本的な対策にはならなかった。というのも、こういった対策はほとんどのケースでいたちごっこになるからだ。任天堂が対策しても、その対策された内容でセキュリティホールを突いてハックしてくる、また任天堂が対策する、またセキュリティーホールを突いてハックする…の繰り返しなのである。
　こうしたやりとりは企業の開発リソースを多分に喰ってしまい、健全なソフト開発を阻害する。それが有効な事でない事は誰もがわかる事である。
　ニンテンドー3DSは、サードパーティを守る意味でもこのセキュリティ対策は万全でならなければならない。そしてそれに任天堂が応えた内容というのが…マジコンを使えなくするのではなく、使った事が永遠に記録に残るという方法だった。
　この記録が残るという方法、ある意味、いろんな防衛策が可能になる。
　例えばマジコンを使った履歴がある場合、その履歴がある本体に対してファームウェア更新を出来ないようにしてしまう事も可能だし、逆にファームウェア更新をした際に履歴にマジコンがある場合、その後ソフトを起動できない形にする事も可能だろう。
　話では、本体を工場出荷状態に初期化してもマジコンを使用した履歴だけは残るようになっているようなので、今はマジコンを使えても、今後どうなるかは全くわからない…というのが今の状況である。
　任天堂はここ数年、マジコンが違法である事を訴え続けている。なので、今の小学生でもマジコンを使用してはいけないもの、と理解しているとは思うのだが、時々、その親ですらマジコンの違法性を理解していない、トンデモ親である場合がある。親がわからないのだから、その子供だって理解しているかどうかは怪しい話である。
　そういったケースの場合でも、今回のニンテンドー3DSは容赦なく断罪できるワケで、ある意味すばらしい事ではあるものの、トンデモ親が絡んでいる事で何かしら騒ぎになる可能性もあるのではないかと思う。
　もっとも、裁判だとかそういう場合に発展しても、任天堂はニンテンドー3DSの取扱説明書にいろいろとそのあたりの注記を入れていたりする為、万全の体制で今回は臨んでいるのかもしれない。
　私は現時点でニンテンドー3DSを入手していないため、細部までのシステムを実際に触っていない。
　しかし、ちょっととある事で知人に協力を依頼されたため、現在私に貸し出すニンテンドー3DSを手配中という事なので、それが届いた時にはちょっといろいろ調べて見たいと思っている。
　…その3DS、そのまま私に「買え」と言ってくる可能性も考えられる。
　そのときは…また検討する事にしよう orz