2010年4月20日、まだ未発売だったiPhone4がApple本社に近いサンノゼのバーで、社員が置き忘れるという事件が起きたが、またしても未発表のiPhoneがサンフランシスコのバーで紛失したらしい。
7月下旬、Appleのセキュリティ担当が緊急にサンフランシスコへ出向き、数日間にわたってそのデバイスの回収を試みたようだ。
今回の経緯は前回よりも単純な経緯をたどっているようだが、現在もAppleは紛失したiPhoneの回収ができていないようだ。
実際の所、サンフランシスコ警察の広報によると、同社はバーでのiPhone紛失に関して、警察に正式な届け出はしていないという。
しかしAppleはGPS機能と思われる、電子的な手段でサンフランシスコのバーナルハイツ地区にある2階建ての1戸建て住宅にそのiPhoneがあることを突き止めたらしい。
サンフランシスコ警察とAppleのセキュリティ担当がそのiPhoneがあると思われる家を訪ね、そこに住む20代男性から話を聞いたところによると、その男性はiPhoneが紛失した夜に紛失したと思われるバーにいたことを認めたらしい。が、iPhoneについては何も知らないと主張した
ようで、さらに警察が20代男性の許可を得て家宅捜索を行ったが、結局は何も見つ
からなかったらしい。
その家を去る前、Appleの従業員は男性に対し、iPhoneを買い取ると申し出たらしいが、その申し出があっても男性はiPhoneについて何も知らないと主張し続けたらしい。…はたしていくらで買い取るとAppleが申し出たのか…が気になる所だが、前回は5000ドルの現金で買い取った経緯があるだけに、おそらくその額を下回る事はなかったものと予測する。
そして今もってその紛失したiPhoneの行方は解らないようだが、問題は、この紛失事件が偶発的に起きた事なのか? それとも仕掛けられたものなのか? と勘ぐってしまいたくなる所にある。
昨年もバーで紛失し、今回もバーで紛失した…この事実だけでも偶発的と言うにはあまりにもできすぎているようで、私には偶然起きた事件と考える前に売名行為なのか? と考えてしまう。
今やiPhoneは一人勝ちデバイスとは言いがたい。もちろんシェアは依然として高いのかもしれないが、Androidが徐々に浸透してきており、今では絶対数ではAndroidが圧倒している状態。
この市場の流れを多少でも変えるには、それなりに話題性のある事が起きる必要がある。
Appleはもちろん故意に行ったとは言わないだろうが、紛失したと世界中のメディアがこぞってニュースを書き起こす事を考えると、5000ドル程度はAppleにとってそんなに高い宣伝費ではないと言える。
こうした事件の背景を見る中で、誰が得をして誰が損をするのかを追っていくと、Appleが絶大な損害を受けるとは考えにくく、逆に名が売れることで一時的にAppleの情報が活気づくというメリットしか生まれない。もちろん、ライバルに新型iPhoneが流れて情報損失を受ける可能性はあるが、Appleは10月にも新型iPhoneを発売するという噂がある事を考えると、この時期での情報損失はデメリットを生まない可能性が高い。どうせ発売してしまえばライバルは解析するのだから。
ま、実際には故意ではないのかもしれないし、本当に偶然である可能性もあるが、売名行為でもあるような気がするiPhone紛失事件。もし、来年もバーで紛失した、なんて事件が起きたなら、私は開口一番、売名行為だと言うかもしれない。
Appleの製品はそんな事しなくても売れるのに…と思うのは私だけではないだろうが、Appleからすれば、やはりAndroidは驚異的に写るのだろうか?
ちなみに新型iPhone(多分iPhone5)は、3.7型くらいの液晶を搭載し、裏面は曲面構造になっている…らしい。これも噂の域を出ない話だが、もし本当に10月に発売されるのであるならば、そろそろもう少し形になる情報が漏れてくるだろう。
iPhone4をスキップした人は気になる所だと思うが、私からすると次期iPadの方が気になる所。
Appleは結局何をしても話題になる会社だ…。