先日、USB接続のSound Blaster Digital Music Premium HDを購入し、それによってPC出力サウンドとマイク入力を両立するという手法を採ったところだが、そのSound Blasterの新型が発表となった。
今回の新型は2005年8月より使われてきた“X-Fi Xtreme Fidelity”というDSPを使用せず、新しい“Sound Core3D”という4基の独立したプロセッサコアからなるクアッドコアDSPを採用している。つまり、事実上のDSP刷新モデルとなるだろう。
この“Sound Core3D”は低消費電力で高い性能を得られるようにチューニングされているようで、最大6ch出力に対応した24bit・102dBのD/Aコンバータと、最大4ch入力に対応した24bit・101dBのA/DコンバータをDSPコアに内蔵している。
このDSPチップの中にコンバータを内蔵している、という所に、Creativeの戦略上重要なポイントがあり、PCだけでなくあらゆるデジタルエンターテイメントに利用出来るようにと考えられた結果のようである。ま、コンバータ類を含めた上での実装面積を小さくしないと家電などに搭載する際にはいろいろと問題になる事もあるため、この判断はそうした所から来ているものと思われる。
ただ、この内蔵したコンバータの性能は、従来機種のSound Blaster X-Fiと比較してダイナミックレンジの性能が落ちる事になる。今後のより上位製品の登場で、内蔵だけでなく外部のコンバータを使用したモデルが登場するのかが気になる所だ。
具体的な仕様はコチラの記事を見てもらうとして、私の場合でこの新型カードとどうつきあっていくべきかをちょっと考えてみる。
今回の“Sound Blaster Recon3D”の最上位モデルは、指向性の強いマイクが付属しているそうで、史上初めてスピーカーによるサウンド出力を行いながらマイクが利用できるようになったと謳われている。
要するに、再生リダイレクトとかステレオミキサーといった機能がハードウェアとして搭載されているという事なのだろうが、ヘッドセットに出力音を全て取られるなどの問題を根底から解決する機能を持っていると思われる。
そういう意味ではボイスチャットやニコニコ生放送をしたりする人からすると、かなり便利に使えるデバイスとなるとは思う。
私はこの機能がなかったために、サウンドデバイスを複数用意して、それぞれに入力用、出力用と利用形態を分けたりしていたのだが、Sound Blaster Recon3Dではそうした利用形態の使い分けは不要になる。
私が利用するとするならば、この部分が一番大きな意味を持つことになるだろう。
音質に関して言えば、この製品に大きな期待はしていない。
多分、もし私が“Sound Blaster Recon3D”を導入したとしても、光出力でDr.DAC2に接続して、音はそちらで出すことになるだろう。
PCゲームでの用途であるとか、通常使う分にはこのSound Blaster Recon3Dの音で何ら問題はないと思うが、音に拘り始めるとSound Blasterでは満足できる人は少ないのではないかと思う。もっとしっかりしたオーディオカードを入れるか、外部DACを経由した方が音は格段に良くなると思うし、外部DACの中にはオペアンプの交換で音の味付けを変えられる製品もある。そういう用途の人には、Sound Blaster Recon3Dそのままでの利用はないだろう。
というわけで、まだ発表されただけで実機が登場したワケでもない。
仕様から解る範囲で考え見ればこんな感じであり、手軽にボイスチャットをゲームと平行して行うに辺り、もっと状況を改善したい人にはオススメできる製品ではないかと思われる。
あとは…価格がいくらになるか? である。