PlayStation4(以下PS4と略)が発表されてしばらく経つが、SCEはPS4でゲームビジネスをどうやって展開していくのかなど、PS4やPS VITAを中心にして今後の動向が注目されている。
何と言っても、PS VITAもそうだが、PS4もおそらく登場後2年以内にはハードウェアの優越性はなくなり、あとはプラットフォームの強さだけでゲーム業界を引っ張って行かなければならなくなる。
それに比べ、スマートフォンの世界は、性能的についてこれないスマートフォンの事はあまり気にしていない所があり、結局は対応できる機種のみを対象にしたゲームを展開しているように思える。
普及する絶対数が多いスマートフォンでは、そういうビジネスが成立するのかもしれないが、安定したゲームを供給するという意味では、コンシューマゲーム機の意味は大きい。
ただ、PS4に関して言えば場合によってはPS4.1やPS4.2といった、性能的に上位になる機種が発売数年後に出てくるかもしれない…という予測も考えられる。
それを4gamer.netで紹介していた。
4gamer.net
西川善司、PS4にまつわる6つの疑問に答えるそぶりをしてみる
~PS4はPS4.1,PS4.2と進化する!?
PS4がAMDのJaguarベースのAPUを搭載する事は、もう既に発表された事実だが、この選択はあらゆる選択肢の中から最適な解を紐解いた結果である。
コスト、入手性、性能、開発リスク等々、いろいろな側面から考えて、もっとも効率の良い結果としての話として考えれば、私もこの考え方が最適だろうと思う。
実際、ビジネスモデルは明らかにPS2の頃からは違っている。PS3は開発を創めた頃はそれでもよかったかもしれないが、発売する頃には状況が変わってきていたハズだ。
それでもPS3は基本となるCell Broadband Engineの性能が今の時代まで引っ張ってこれるだけのものだったため、途中息切れする事なく(いや、していたのかもしれないが…)展開してこれたが、今の時代に自社開発のコアを搭載するという事はハイリスクすぎて選択できない。それでいて、コストを抑え、消費電力を抑え、パフォーマンスを追求するとなると、APUしか選択肢がなくなってしまう。Intelコア&NVIDIAコアという選択肢もあるかもしれないが、コスト的に割高になってしまう。
だから既存品で賄うしかないわけだが、PS4の前にそれと同じ手法を採ったデバイスがある。それがPS VITAである。
PS VITAは現時点で既にスマートフォンにその性能を追い抜かれつつある。これは最初からわかっていた事で、今更な話だが、だからこそ、PS VITAは今からが本当の戦いになるのである。プラットフォームの強さで勝負しか行かなければならない今後のゲーム機争いは、PS VITAにとって正念場であり、ここでスマートフォンに完敗してしまうと、PS4のプランも実に危ういものになる。
おそらくSCEとしては、性能が一定しないスマートフォンでは成し得ない利点を開発側に売り込んでいこうとするだろうが、実際のユーザー視点で考えてみると、そういう部分は実はどうでも良い事であったりする。ユーザー体験と開発側の意図が噛み合わないと、ユーザーはそのプラットフォームから去って行く。今の時代、そのプラットフォームでなければならないという事がないため、ユーザー側はプラットフォームに固執したりはしない。
その事をよく考えないと、PS VITAは上手く展開できない事になる。
そしてその事は、そのままPS4にも言える。
ただ、PS4の場合は映像を映すデバイスなどが別にあるため、PS VITAよりは部分的に変更できるポイントが多い。
つまり、プラットフォームとして一定のルールさえ固定させてしまえば、その処理の速い遅いはコア性能に依存させてしまえば良いのである。
だから、登場時はAMDのJaguarコアかもしれないが、2~3年後はさらなる上位のx86コアを搭載したとしても、その周辺ハードをメーカーがちゃんとサポートできればさらに高性能なハードウェアで供給できる事になる。つまり、それがPS4.1だったり、PS4.2だったりするわけである。
PS VITAでも同じ事をする可能性も考えられるが、PS VITAの場合はおそらく液晶パネル、つまり有機ELパネル等、演算ユニット以外の所で違う部材の投入があるのではないかと予測する。たとえば…有機ELパネルをIGZO液晶に変更してより低消費電力にする…などである。
仮にIGZO液晶でなかったとしても、IGZO技術を投入した有機ELパネルに変更する可能性もありうる。この方法は、PSPの液晶でも行われていた事であるため、十分可能性としてはあり得る話である。
おそらく、NVIDIAのSHIELDも同じような事を考えているのではないかと思う。最終的にはストリーミングデータ受信機という実体がモバイルデバイスとなる可能性もあるが、そこに行き着くまでは同じようにして、時代の進化とプラットフォームを共存させるスタイルを執るのではないかと思える。
どちらにしても、実体が見えてこないと何とも言えないのだが、PS4のライバルになるであろう次世代Xboxがどういうスタイルで出てくるかで、PS4の未来はまた変わってくる。
噂では次世代Xboxは4月頃にその詳細が明らかになるらしいので、その話が見えてきた頃にさらに詳しい未来像が姿を現すように思う。
前述の記事の著者である西川善司氏はこう記事で締めくくっている。
「ゲームファンにとって,今年はいろいろと盛り上がる年になりそうだ」
私も確かにそう思う。
いや、この盛り上がりはゲームファンだけの話ではないと思う。
私は、あらゆる映像コンテンツやエンターテイメントコンテンツの関係者にとって、盛り上がる年になって欲しいと願わずにはいられない。