N Boxという車は実に車載容量の大きい車である。
軽自動車という枠組みギリギリを突き詰めた結果の車である事は、メーカーが今まで大々的に宣伝してきた事からも分かる通り、実際に使っている私もそれを痛感するほどである。
だが、そんなN BoxにはN Box+という姉妹車がある。
元々の開発思想はN Box+から始まっているそうだが、この両車は似て非なる車と言える。
車載性そのものはどちらも突き詰めた形と言えるが、突き詰める方向がまるで違う。
昨日お世話になったうめーさんは、このN Box+の福祉車仕様を購入した。
もちろん福祉車にせざるを得ない家庭事情がある為にN Box+となったワケだが、その際、違いをいくつか写真に収めてきたため、ちょっと紹介したい。
N Boxにすべきか、N Box+にすべきかを検討している人の一助になると良いのだが。
まず最初に、N BoxとN Box+の大きな違いは、紛れもなく後部座席の広さといえる。
これが通常のN Boxの後部座席の広さ。公式サイトでも紹介されているが、かなり広い。普通車でもこの広さを確保している車はそうはない。
これがうめーさんのN Box+の後部座席。N Box+の収納マルチパーパス性を実現するため、後部座席の位置が随分と前に来ている。
並べて比較してみるとよく分かるが、かなり違う。実際に乗ってみるとその差はもっと大きく感じる。N Box+が狭いのではなくN Boxが広すぎるという言い方ができるかもしれない。N Box+は座席が前に出ている分、ハッチバックドアを開いた際の収納の広さがN Boxより断然広い。この差をどう考えるか? が選択する一つのカギになるだろう。
次に、後部座席足下の違い。
N Boxは前席下にも余裕のスペースがある。身長が極端に高くなければ、足を伸ばしきる事も可能だろう。
うめーさんのN Box+の後部座席足下。
真ん中に見えているのが福祉車専用装備のパワーウインチである。車椅子を引っ張り上げる際に利用する。
福祉車じゃなければ広いスペースがある…と言いたいが、助手席側の足下を見てもらえば分かる通り、結構床が盛り上がっている為、前席下に余裕があるとはちょっと言いにくい。
もちろん、これはN Box+のマイナス点というワケではない。そもそも使い方のコンセプトが違うのだから、その違いに合わせて差が出来ているだけの事。
普段後部座席に誰も座らないから荷物を沢山積みたい、レジャーの為に多目的に使いたい、そういう人ならN Box+という選択肢は十分魅力的だ。
うめーさんのように福祉車という選択肢しかない場合は、N Box+しか選択肢がないわけだが、福祉車としてはN Box+はものすごく良く出来ている。他社の福祉車と比較すれば、それは自ずと見えてくる。福祉車をマルチに使いたいと考えるなら、N Box+という選択肢はほぼ一択とさえ言えるのだ。
まぁ、福祉車を選択しなければならない人を除いて考えるなら、この両車どちらを選べばよいかというポイントは、人を中心に考えるか、モノを中心に考えるかで、その選択が分かれると言える。
人を中心に考えて、とにかく居住性を重視するならN Boxが良いだろう。
モノを中心に考えて、とにかく車載能力を追求するならN Box+が良いだろう。
但し、どちらもそれ以外ができないかというとそうではない。N Boxにも車載能力はかなりあるし、N Box+にも居住性は十二分備わっている。より特化した姿がどちらか? という事に他ならない。
どちらを採るかは、個人のお好み次第、という事である。
話は変わり、実はN Box/N Box+は昨年の12月頃から新型にマイナーチェンジしている。
大きな変更箇所は、エンジンのポート研磨をより優れたものを採用し、僅かながら(ホントに微々たるもの)燃費が向上している。また、オルタネータの充電効率が若干(これも実際には微々たるもの)向上している。また、エマージェンシーストップシグナルという、急ブレーキ等があった際に、後部ランプを全て点滅させ、後車に危険を知らせるという機能が追加されている。あとはグレード毎の装備関係でより充実したものへと変化しているぐらいで、初代でほぼ全部入りのカスタム車を購入している人はあまり差がない。
結論から言えば、初代に乗っている人が大騒ぎする変化点はほぼないのだが、一つだけ個人的に大きな違いと思っているものがあるので、ちょっと紹介。
これは初代のフロントウィンドウとボンネットの間にある凹みで…
これが新型の凹みである。
初代に乗っている人で「何だ、差がないじゃないか」と思う人はそれでもいい。
だが、初代に乗っている人で差があると感じた人ならこの新型の凹みの少なさは羨望すべきポイントである。
実はこの凹み、枯れ葉などがここに溜まるのである。しかもその枯れ葉が走っている時に吹き飛んでくれればよいのだが、この凹みに入ると走っても吹き飛ばず、残るのである。
また雪が積もった時にも大きな問題になる。
フロントウィンドウに積もった雪がこの凹みに積み上がっていくのだが、初代は凹みが深いため、積み上がりやすいのである。
この改良点は、HONDAとしてはより良い改善ポイントと考えているだろうが、初代に乗っている人に有償でもいいから交換という手段を執って欲しいと私は思わざるを得ない。
ただ、うめーさんの話だと、どうもこのパーツだけをディーラーで取り寄せれば、普通にパーツ交換で取り付くらしい。
実際、ウォッシャーの位置なども全く変化がなく、単純にパーツだけが異なるため、そのままボルトオンで取り付くのだろう。
今度ディーラーに聞いてみようと思う。
…いや、ホントにこの部分の差は大きいのである。使ってみれば分かるのだが、特に山間部にいる人はここに溜まる枯れ葉や雪に悩むのだ。
それと…うめーさんのN Box+に取り付いていたもので「ちょっといいかも…」と思ったものがコレ。
ディーラーオプションの大型ルーフコンソールである。
N Boxは、ライバルのダイハツTantoから比べても収納が少ないと言われている。
私自身はそんなに少ないという感覚はないのだが、イマドキの車は収納が沢山ついているのが基本らしい。
そんな少ない収納を大きく改善するのがこの大型ルーフコンソールである。
実際にうめーさんのN Box+の助手席で実感した事だが、N Box/N Box+の頭上の広さは尋常ではない為、このコンソールを取り付けてもまだ余裕がある。収納に困るようならこのコンソールを後付でも取り付けるのが良いだろう。
但し、収納が多い事のデメリットも知っておいた方が良い。
収納が多いという事はいろんなものを入れる事になるわけだが、車というのは常に振動しているものであり、この収納の中に入れたものが振動で動く事も十分ある。カタカタ、カラカラ、ゴトゴト異音がしたりする事もその分増える。ましてこのこの大型ルーフコンソールの場合、蓋がついているものではないため、その辺りの事を十分わかった上で使うべきアイテムといえる。
ま、実際には気にする程の事でもないし、便利に違いはないのだが。
N Boxを購入して9ヶ月が経過しようとしている。
使っていてイロイロ我が家なりの問題点も見えてきている。
取り付けたい追加パーツが出てきていて、予算に余裕が出る頃にそれらを追加すべきか考えたりする事がある。
ディーラー装備で“のりおりパッケージ”という追加装備が増えている。
HONDA のりおりパッケージ
http://www.honda.co.jp/ACCESS/nbox/interior/noriori_package/
私一人が乗っている分には不要なものなのだが、こういう些細なもので利便性が増えるのなら検討する価値はあるのではないかと思っている。
ま、予算があれば、の話ではあるのだが。
とりあえず、N BoxとN Box+の実車を踏まえた違いを私なりにまとめてみた。
正直、こんなもの今更言わなくても分かってると言われるかも知れないが、実際に観るだけでなく、使い続けてはじめて分かる問題点もある
うぉッ、いつの間にこんなに写真撮ったんじゃ。
フロントウィンドウとボンネットの間は「みんカラ」でこんな記事が有りました。
http://minkara.carview.co.jp/userid/1457027/car/1066732/2194767/note.aspx
工賃込みで15,000円しなかったそうです。
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いやー、うめーさんが電話してる隙にパシャパシャッと数枚撮りましたw
こうして比較してみると、結構N BoxとN Box+の違いが明確に見えてきますな。
それと、フロントウィンドウとボンネットの間の凹み部分(カウルトップと言うらしい)の情報、ありがとうございます。
15,000円かぁ…悩むな(爆)
調べて見ると、個人でパーツを入手して交換は難しそうな感じ。
のりおりパッケージと一緒に追加ができるといいんだけどなぁ。
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