月刊Stereoの2014年1月号が発売となり、ウチにも本日届いた。
毎年恒例とも言える1月号の付録は、2年ぶりのLUXMAN設計のデジタルアンプで、2年前に付録として付いてきたLXA-OT1のバージョンアップ版とも言えるもの。
期待しつつ、開封&視聴したので、ちょっとレビューしてみたい。
今度は赤い基板で3倍速?
まぁ…3倍速というのは冗談だとして、今度の基板は赤い基板らしい。
前情報でそんな話を聞いていたし、画像も見ていたので、それは知っていたのだが、まずは開封の儀。
なんて事はない、タダの箱に入っていた(爆)
入っている状態も2年前のLXA-OT1と何ら変わらない。付属品もほぼ同じ状態で封入されていた。
ココから基盤とアダプタだけを取り出す。他の付属品に手を入れないのは後から説明する。
基盤とアダプタを取り出してみた。
前評判どおり赤い基盤と電源容量がアップしたアダプターである。基盤設計はほとんど同じ…というか、全く同じではないだろうか。
アダプターだけは12Vから15Vへとアップしている。という事は基盤側もコンデンサに違いが出ているはずだ。
多分、それぐらいの違いしかない…と言ってしまうと「何だ、変わらないのか」と思われるかも知れないが、そうではない。基板の設計は同じでも、パターンの描き方が多少変わっている。それこそ、LUXMANたる所以である。
アールパターンで滑らかな電気信号を
LUXMAN伝統の技というものがある。
まぁ…そこまでの話にしていいのかどうか解らないが、オーディオメーカーというのはそうした技術の積み重ねで良い音を作り出してきている。
そのLUXMAN伝統の技を今回はLXA-OT3に投入してきている。
その技というのが、パターンのアール化である。
左がLXA-OT1、右がLXA-OT3だが、基板上のパターンが微妙に違うのが解るだろうか。
左に対して右のパターンは円を描くようなアールがついたパターンを描いている。
このアールパターンこそ、LUXMAN伝統の技であり、これによって電気信号の流れがスムーズになると言われている。
3,000円ほどのオマケアンプに、伝統の技を使ってくるあたり、LUXMANの本気度が伝わってくるというものである。
筐体は共通で使える
一通り基板を眺めおわった後は、いよいよアンプとして設置するワケだが、付属の六角の足は箱に入ったまま。今回はこれを使うつもりはない。
前述したように、アダプターと基板しか取り出していないのは、以前LXA-OT1で使用した、iKeda Product製のアルミ削り出しケースを使うためである。
基板設計が同じであれば、前のケースがそのまま使えるハズ。それを信じて、LXA-OT1を取り外し、いよいよLXA-OT3にケースを取付けてみた。
おお! まるで専用設計のようではないか(爆)
って当たり前ですな(-_-;)
今回は共立エレショップにて専用ケースが販売されている。しかも、より電源を安定させるためのアナログ電源も販売している。値段が1万円弱と結構値が張るが、より良い音を聞きたい人の選択肢にはなるだろう。
共立エレショップ
LXA-OT3用アルミケース
http://eleshop.jp/shop/g/g402231/
LXA-OT3対応 高音質トランス電源
http://eleshop.jp/shop/g/g402222/
ちなみにiKeda Productからは今回ケースの販売はない。全く同じものが使える為だろうと思われる。
視聴してみた
多分、これが一番気になる所だとは思う。
実際に私のシステムに組み込んで聴いてみた。
先に説明しておくと、私の環境はPCのマザーボード上の音源を光出力してDr.DAC2に入力、Dr.DAC2からアナログ出力してLXA-OT3に入力している。LXA-OT3からはVictor JVCから発売されているウッドコーンSX-WD30に接続している。
…今見ると結構回りくどい配線してるな(-_-;)
で、LXA-OT3を聴いた感じだが…確かに良い音は出ていると思う。
まず最初に驚いたのは、メインメロディの裏で鳴っている音がハッキリと解るというか自己主張し始めたという事。音のメリハリがハッキリしたというか、全体にクリアになったというか…ただ、これは逆を言えば、全体的にうるさくなったというか、落ち着かない音になった、という言い方もできる。まだエージングがされていないからなのか、元気な音だとは思うが、これを劇的に良くなったと言っていいのか、正直躊躇う所もある。
しっとりと落ち着いた感じがするのはLXA-OT1だが、これは逆に言えば音の解像感が曖昧だという言い方もできる。
だから、全体的に言えばLXA-OT3は確実にクリアな音を出していて、より奥行きを感じる音にはなっていると思う。ボーカルの息づかいまでもが解るくらいに雰囲気は出ている所を考えれば、その解像感の良さは想像できるのではないだろうか?
この良い音になったという最大の原因が電源強化にあるとするならば、より安定する電源の投入でもっと音が良くなるかも知れない。
また、今回もオペアンプが取り外せるソケット式になっている為、新日本無線のMUSES01あたりを投入すれば、まだ高音質化は目指せるし、電源による違いに留まらない高音質化の足がかりはまだまだありそうだ。
このまま使うという選択肢もある。しかし、ほんの少しの手間で格段に音が変わる…。
LXA-OT3は簡単に音というものを変えてくれる、そんなオマケである。