熊本の株式会社吉角から、HONDAのゴリラによく似た電動バイクが発表された。
実は私は発表前に見ていた
名古屋のポートメッセなごやで昨年行われた「ポートメッセなごや2014」という展示会。私は仕事でこの展示会に出展者側として参加していた。たしか本Blogでもその事を記事にしたと思う。
その展示会の中で、熊本のある企業がモンキー/ゴリラをベースとした電動バイクを転じしていた事を記事にしたのだが、その電動バイクがいよいよ発表されたのである。
熊本の株式会社吉角という、もともとはバッテリーの販売や蓄電システムの製造・販売を行っていた会社なのだが、今回、電動バイクの開発、販売を開始する。
株式会社吉角
http://www.yoshikado.co.jp/
フロスティEV
http://www.yoshikado.co.jp/frostyこの画像が展示会の時に撮影したものだが、たしかにリンク先のものとほぼ一致すると言えるものである。
…というか、この画像でも「熊本」と描かれているワケだが。
このフロスティEVは、1回の充電時間が8時間と、ちょっと充電時間は長いものの、満充電で60kmの走行が可能な小型電動バイク。
モーターの定格出力は600w、鉛シリコンバッテリーを採用したもので、バッテリーの電圧・容量は48v・20Ahとなっている。最高速度45km/hで最初から前後ディスクブレーキを採用している辺りが高級感を感じる所。私的にスペック上の唯一の弱点は登坂力が12度というところだが、これにしても一般的な街乗りであれば十二分な能力と言える。
問題は価格?
写真を見れば分かる通り、見た目はほぼHONDAのゴリラである。
ハンドルはモンキー系列と同じで折りたためるようだが、ゴリラのタンクがおそらく邪魔になって完全に折りたたむことはできないのではないかと思う。
ステムを交換すれば好きなハンドルを取付ける事もできるだろうし、これを乗りやすくカスタムする事もできるとは思うが、問題はその価格である。
36万8,000円。
正直に言おう。かなり頑張っている価格だとは思う。ノーマルのモンキーの新車価格が29万8,080円だから、そこから7万円高で電動化した、と言えるのだが、モンキーはドラムブレーキである事を考えれば、ハフロスティEVは最初から前後ディスクブレーキという豪華仕様。つまり7万円高とはいったものの、電動化だけで7万円高というわけではないのである。
そう考えると、この36万8,000円という価格設定は妥当、という事になるのではないだろうか?
それに、フロスティEVは20回の充電でかかる電気代が80円。1Lのガソリン代より安いのである。ガソリンで走るモンキーは、カタログスペックではリッター100kmの走行が可能となっているが、実際はそこまで走るかは微妙なラインだ。
つまり、継続して乗り続けたとしても、燃費の面で言えばフロスティEVの方が僅かに有利と言える。
ただ、バッテリーの保ちがどれだけかによって、フロスティEVの維持費が変わってくる。残念だが、現時点ではその辺りは不透明である。
更なる課題
あと、これはまだフロスティEVのスペックを把握しきれていない為の話になるのだが、もしフロスティEVが回生ブレーキによる充電が可能なバイクだったなら、もっと優れた電動バイクと言える事になる。
多分、回生ブレーキによる充電には対応していないとは思うのだが、今や電動アシスト自転車にも回生ブレーキによる充電が可能なモデルがあるため、フロスティEVの今後の車種にはそうしたモデルが加わってくれる事を期待したい。
そうなると、今のような鉛シリコンバッテリーでの運用では難しいかもしれない。
また、バッテリーを完全に独立した別ユニットとして取り外したりできる仕様、つまり電動アシスト自転車のようなタイプにしてやった方が一般化しやすいかもしれない。バイクは自転車よりも運用面でハードルは高いのだが、バッテリーの運用が手軽になれば、スクーターをも凌駕する運用が可能になるかもしれない。
フロスティEVは、今後にもっと期待したい一台ではないかと思う。
こうなると、大手メーカーもそろそろテコ入れして欲しいところである。
HONDAは、2輪のリーディングメーカーという自負があり、低迷する2輪市場に活気を呼び込む施策として新型タクトを投入した。
スクーターとして価格を極限まで落とす、という方法で15万円台のタクトを投入したワケだが、私は電動アシスト自転車の市場と同じように、一定の電動バイク市場は形成できるのではないかと思っている。
場合によっては市場バランスが崩れる可能性もあるが、HONDAならではの電動バイクを市場投入して欲しい。
電動アシスト自転車PASを展開しているYAMAHAにしても、電動バイクの市場に挑戦してもらいたいところである。
それとも…こういう市場が見えにくいものに関してはベンチャー的企業が幅を利かせる事になるのだろうか?
市場が形成できていないだけに、どう変化していくのか…まだまだ予断を許さない話なのかもしれない。
オイラのモンキーはリッター30~40Km位の燃費かな
あまり気にしないけど。
問題は航続距離だな、オイラはモンキーで1回の運転で大体
60~80km乗るからコレでは役に立たない
普通に富士山まで行ったりするしな。
以前出していた東京マルイのスクーターもこんな感じで航続距離が50km程度だった。
本格的に使うには充電時間と充電ステーションの整備が不可欠だな。
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フロスティEVが使えるかどうかは、生活圏の違いでイロイロだと思います。
都会だと、1回の走行で平均5km~6km程度になる、という統計結果から、フロスティEVは実用域にある、と判断しているようです。
それが我々の地域に当てはまるかというと…多分無理でしょう。
私が登坂力12度という限界値が問題なのかもしれない、としたのも、これが理由です。
ま、一般的には使えるモノ、という事なのでしょう。実際そう思います。
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