Microsoftの売上形態が変わっていくだろうという話は前から出ているわけで…。
Officeに続いて
MicrosoftがWindows 8を出した頃、MicrosoftはOSの更新サイクルを従来よりずっと縮めていくという話があった。
実際、Windows 8からWindows 8.1への移行は速かったわけで、その流れは間違いないものと思っていた。が、結局Windows 10は2年かからなかったとは言え、1年更新ではなく、またWindows 7移行のOSを利用している人に一年間は無償提供という、Microsoftが売上を上げられないスタイルを提示してきた。
利用者としては、課金される事がないという事は喜ばしい事ではあるが、Microsoftが潰れてしまっては意味がない。まぁ…潰れる事はまず考えられないワケではあるが。
結局、Microsoftは他社と同じようにサブスクリプションという手段にその売上形態を変えてきつつあるワケで、Officeは「Office365」という製品で遂にサブスクリプションに舵を切った。
年間あたりの利用料でOfficeスイートを使えるという方式で、価格的に高いか安いかという点においてはいろんな価値観があるためココでは語らないが、利用料というスタイルに変わった事で導入がしやすくなったという人もいるのは確かだ。
そしてMicrosoftは、さらにこのサブスクリプションという道を拡大していく方向を見せ始めた。
完全な中核ソフトであるWindowsというOSをサブスクリプション形式にしようとする動きがあるのである。
商標出願
まだこの話は確たる話ではない。まずその事を明確にした上で、Microsoftの動きから予測する。
Microsoftは2015年1月29日に“Windows365”という名称の商標を出願したようである。内容からしても「Computer Operating System software」から「ダウンロード不可能なコンピュータソフトウェア」と「コンサルティングサービス」の全てで承認されているようだ。
この“Windows365”の商標はOffice365とよく似たもので、Officeアプリケーションがクロスプラットフォームで提供されるとともに、OneDriveとSkypeが付属するようである。
MicrosoftがWindowsのサブスクリプションを匂わせたのは今回が初めてではないのだが、Windowsを商品と考えるのではなくサービスとして考えるという方針に切り替えている事は間違いのない事なのかもしれない。
利用者側としては…
このMicrosoftのWindowsをサブスクリプションにするという方向に関して、これによってメリットを見出す人もいれば、逆にデメリットを感じる人も確実にいる。
これはOffice365でも同じであり、やはり利用料を払い続けるという事に抵抗のある人はいるものである。
私自身も本来ならサブスクリプションは嫌いであり、JustsystemのATOKを未だにパッケージで購入している者である。だから、Officeに関してもVAIO Duo 13ではOffice 2013をインストールして利用しており、利用料を支払うというスタイルをなくしている。
ただ、この使い方が全くできないサービスも存在していて、Adobe製品は全てがサブスクリプションになってしまった。これを改悪と言う人は非常に多いだろう。私は写真家プログラムを契約していて、月額980円でPhotoshop CCとLightroomを利用しているが、これも年額にして考えれば結構な金額になるワケで、喜ばしいかと言えば疑問でもある。Photoshopは元々のソフト価格が高いため、お得じゃないかと言われればたしかにそうなのだが、課金を辞めてしまった瞬間に使えなくなる、という事を考えると、実に悩ましい。
このように、課金が継続する事をOSレベルでやられてしまうと、多大な問題を感じるという人は決して少なくない。
Microsoftには、特にWindowsに関してサブスクリプションのみ、という提供方法はぜひともやめて戴きたいところである。
もしサブスクリプションのみの提供になってしまったなら、OSのアップデートを一切せずに利用する人が増大する可能性も高く、セキュリティ的に実によろしくない。この辺りはMicrosoftもよく分かっているとは思うが…。
はてさて、一体どうなる事やら…。