最近めっきり見かけなくなったなぁ。
改竄問題からその後
2012年、地デジの普及と共に広がりを魅せていたB-CASカードのデータ改竄問題が表面化し、一部のデータ改造を行った悪質な人たちに捜査の手が伸びるという事があった。
この事件の中から、そもそもB-CASカードそのものが必要なのか? という話も浮上したりもした。そもそもカードの形でアクセスできるデバイスである事が“データ改竄”が出来るようになるのだから、そのようなデバイスそのものを排除してしまえばよい、というもっともな話も出たのである。
しかし、この問題が浮上してから3年、今ではそもそもそんな問題があったか? とその事そのものを忘れている人もいるかもしれない状況なのではないかと思う。そして当のB-CASカードは未だ健在であり、未だに発行サレ続けているというのが今の状態である。
中身のデータに関してはアクセスできないようなプロテクト等の対策はあったのかもしれないが、ハードウェアとしては何も変化がない。
そんな事では再び改竄問題が起きるのではないか? と思うワケだが、実は表面化していないが、その後もデータ改竄問題は続いているのである。
発行枚数は減少
そんな問題が未だ解決していない状況の中、B-CASカードを発行するビーエス・コンディショナルアクセスシステムズが、2014年度の業績を発表した。
その発表によるとB-CASカードの発行枚数は1,445万1,000枚で、前年度比94%、計画比91%に減少した、との事。
減少している原因として、地上デジタル対応テレビが大凡普及してしまった、という事と、テレビそのものが昔ほど“必須”という家電ではなくなった、という理由があるかもしれない。
それでも、2014年度の発行枚数を含めたB-CASカード全体の累計発行枚数は2億2,532万5,000枚になり、日本の人口を遙かに上回る枚数が発行されている。
テレビはエンターテインメントの中心から外れてしまった、と言う人がいるが、このB-CASカードの発行枚数を見る限りでは、まだまだその地位は揺るぎないもののように見える。
私自身、このB-CASカードの存在そのものが必要なのか? と未だに考えている所があり、そもそもハードウェアとしてテレビメーカーが内部に組み込めば良いだけの事ではないかと思うのだが、未だカードの体裁を残している事で未だ改竄問題と無縁でいられない状況が続いている。
全く以てムダな事をしているな…と思うのだが、これをなくす事で「何かしら困る人」が出てくるのかも知れない。と言うわけで、おそらく今後もB-CASカードは発行され続けるだろうと思う。
しかし…これが4KテレビになったらB-CASはどうなるんだろうか?
もし4KテレビになりB-CASカードがなくなったとしても、それに変わる何か別のものが必要になるのだろう。こうした利権は変化する事はあっても、存在そのものがなくなる事はないのだろうから。