新型と言っても高機能版じゃない。
薄くなって小型化
PS4の高機能版として、コードネームPS4 Neo(時にはPS4.5とか言われていた個体)という製品が登場する、という噂は前々から出ていたが、その後、従来のPS4もリニューアルとなる新型が登場するという噂が8月に入ってから囁かれていた。
その新型は、従来機種よりも小型化、特に薄型となり、より小さなPS4になるという話だったが、8月の下旬になると、なんと発売前にも拘わらず製品レビューの動画が公開されるという事になっていた。
…ホントはもっと前にBlogに書くつもりだったのだが、普通にPS4を持っている身としては興味があまりなかったのか、すっかり忘れていた(爆)
https://www.youtube.com/watch?v=FcPc3Fe49SI&index=2&list=RDU9V6VeZdMCQ
この動画は海外で8月23日には公開されていたものだが、すでにパッケージの開封動画となっていて、プロダクトとしては既に完成の域に達しているものとなっている。
このまま発売されても不思議ではない感じの出来映えで、おそらくホントにこのまま発売する事を想定しているものと思われる。
パッケージの中から取り出された新型PS4は確かに薄型になっていて、筐体そのものが既存PS4よりも一回りほど小さくなっている。
また、既存PS4の特徴とも言えるHDD格納場所のアクリル部分がなくなり、全体的にマットな雰囲気の筐体をしている。
筐体正面、つまりBDの挿入口の部分を見ると、そのBD挿入口の左手前に電源ボタンが用意されている。従来のようなタッチセンサー式でなく、完全な機械式スイッチであるため、高級感はないものの、確実性があるスイッチとなった。
また従来機では隣り合っていたUSBの2ポートが、ちょっと左右に離れた位置に配置されているのがわかる。
また筐体の裏面を見ると、右からLANポート、HDMIポート、マルチAV端子と3つ並び、従来機にあったオーディオ用のS/PDIF端子がなくなっている事がわかる。
一番気になる排熱用のポートだが…恐ろしいほど小さく、また少なくなっている事がわかる。新型は発熱を相当抑えているらしく、ファンもより小さく静かで、排熱そのものが少ない設計になっているようである。
新型コントローラーはイイ
私がこの新型PS4で一番気に入ったところは、新型のDualShock4である。
十字キーの表面がちょっと変更になっていて、より滑らせての入力がしやすくなっているようだが、私が絶賛したいところはそこではない。
今回の新型DualShock4は、タッチパッドの上面角付近に、ライトバーのような透明部分が作られていて、そこからコントローラー側面のカラーライトバーの色が見えるようになっているのである。これはコントローラーを持っているプレイヤーがわざわざ側面を見なくても色の確認ができるという意味で画期的である。
おそらく、機能的には何も変更もない新型DualShock4だろうが、使い勝手という面で確実に進化したといえる。
より換装は簡単に
そしてもう一つ、今回の新型PS4で一番変わったところは、筐体が薄型&小型化した事で、HDDの格納場所が変更になったという事。
これにより、従来はアクリルパネル部分をゴッソリと取り外す必要のあったHDD換装が、表面の筐体一部の蓋部分を取り外すだけで換装できるように変更されていて、より簡単にHDD換装が出来る様に設計されている。
私からすると、従来機もHDD換装は簡単だと思っているのだが、先日、私の会社の知人と話していて、PS4の話になり、私がHDDを換装したという話をしたら「よくそんな事ができますねぇ…」という意外な言葉を聞かされた。
…いや、ネットで調べればそれぐらい簡単にできるだろ? と思っていたのだが、世間一般の人からすると、そもそもゲーム機のカバーを取り外して手を加えるという事そのものがハイレベルな事らしく、従来機でもハードルの高い話だったという事を知った。
そう考えると、今回の新型PS4は、そのハードルを少しは下げる事に貢献するのではないかと思う。
SSDやSSHDに換装するなり、大容量HDDに換装するなりして、より使いやすいPS4にできる人が一人でも増える事を期待しよう。
個人的には…
今回の新型PS4だが、まだ中身がどのように変更になったのかという話が見えてこない為、最終的な判断は下せないのだが、発熱が小さく抑えられているという事は、微細化したAPUに載せ替えた、という事なのだろうか?
つまり、従来28nmプロセスで製造されていたJaguarコアの改良版を14nmプロセスのものにした、という可能性があるのなら、その発熱の小ささも納得というものである。
ただ、そうなると14nmプロセスの生産ラインをある程度押さえる必要があるため、私の予想では14nmプロセスにはなっていないような気がする。
もし14nmでなく、かわりに20nmとかハーフノード(今はハーフノードと言わないかも知れない)の生産ラインにのせて微細化しているのなら、それはそれで納得もするのだが、製造している台湾の工場の事情を考えると考えにくい話ではなかろうか?
そういった背景を考えた上で、この新型PS4に搭載されているAPUは、私的には従来機と変わらないような気がしてならない。
であるなら、どうやって低発熱&静音化しているんだ? となるわけだが…正直、そういう疑問がある以上、私なら従来機を購入する事まちがいなしである。
性能が何も変わらないのなら、ちゃんとした排熱機構を持っている機種を購入する方が利口である。
どうしても静音化したモデルが欲しい、というのなら、新型に期待するのもアリだろうが、私は小型化している以上、仮に低発熱&静音化していたとしても、その分小さな筐体からそれなりの排気音がするだろう、と予測する。
ホントに期待するのはPS4 Neo
やはりホントの意味で期待したいのは、上位機となるPS4 Neoである。
4K出力&グラフィック能力向上という特化型ではあるものの、時代の最先端を行くVRをより高品位に持ち上げる為には、そうした映像周りの強化は必須である。
実はSCE関係者は、このPS4 Neoの次の新型は存在しない、と今の段階で明言しているという。つまり、PS4 Neoの次はもうPS5になる事は間違いないというのである。
であるならば、今PS4を持っていない人からすると、狙い目は間違いなくPS Neoであり、この薄型PS4ではないのではないかと思う。
であるからして、この薄型PS4は、PS4というプラットフォームを底上げする為の機種であり、ライトユーザーの為のもの…という感じがする。
ガッツリゲームで遊びたい人は、間違ってもこの薄型PS4を買ってはいけない。
少なくとも私はそう思う。
どちらにしても薄型PS4が登場する事はほぼ間違いない。
動画にあるとおり、既にパッケージまで用意されていて、出荷を待つばかりという状態である。
どういった価格設定になり、Neoとの棲み分けをどうしていくのか?
まだまだ不明な点は多いが、今後の続報に期待である。