コントラストAFを捨てたミラーレス一眼。
EOS M5
キヤノンは11月下旬にミラーレスカメラEOS Mシリーズの最新作「EOS M5」を発売すると発表した。価格的にはボディで11万2,500円(税別)、15~45mmのキットレンズ付きで12万7,500円(税別)、18~150mmの高倍率ズームのキットレンズ付きが15万7,500円(税別)、高倍率ズームとマクロレンズが付いたダブルレンズキットが18万7,500円(税別)となる。今までのEOS Mシリーズと異なり、EVF内蔵モデルとなり、より一眼カメラっぽくなった。
最大の特徴は、コントラストAFを撤廃し、完全な像面位相差AFにしたという事。「デュアルピクセルCMOS AF」と名付けられた2つのフォトダイオードからの位相差情報でAFを制御する仕組みを内蔵した。像面位相差AFであるため、その合焦速度は言う迄も無い。
センサーのフォーマットはAPS-Cサイズで、有効画素数は2,420万画素と前機種と同じだが、最高感度はISO25600と前機種より向上、画像処理エンジンも前機種より新しくなりDIGIC 7となった。
シャッター速度は最高1/4,000秒で、ストロボ同調は1/200秒と、この辺りは驚く程高性能という事はないが、これはキヤノンが一眼レフカメラメーカーであるが故にミラーレスの性能を絞った…という可能性は考えすぎか?
他スペックの詳細は公式サイトのニュースリリースを見てもらいたい。
キヤノン EOS M5 ニュースリリース
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2016-09/pr-m5.html
俄然欲しくなる機種
OLYMPUSのE-M1を持つ私としては、本来なら次期E-M1を待つのが上策ではあるのだが、このEOS M5を見ていると、俄然欲しくなるカメラに見えてくる。
実際、おそろしく小さいボディでありながら、APS-Cサイズのセンサーを搭載し、像面位相差による高速AFを可能にしているというだけで、動きモノに強いカメラだという事がよくわかる。
本体の価格に関しても、別段高すぎるという事もなく、非常に好感の持てるカメラに仕上がっている。
まぁ…本当にカメラらしいカメラとして欲しくなるのは、OLYMPUSのE-M1だったり、FUJIFILMのX-T2だったりするのかもしれないが、このEOS M5もそうしたカメラの序列に加わっても何ら不思議はないカメラだと私は思う。
ミラーレスは未だに一眼レフの後塵を拝するカメラとみられているところがどこかにある…と私は感じている。もちろん今では随分とその地位を築き上げてきたとは思うが、今、国内カメラメーカーの2大巨塔の一角であるキヤノンが、このEOS M5を発売する事でようやくミラーレスに本当の意味で光が当たったように思えてならない。
このEOS M5の登場で、もう一社のNikonがどう出てくるのか?
動かないかもしれないし、何か動きがあるのかもしれないと思うと、この業界も面白くなってきたと感じる。