世界的需要はあるのかもしれない。
持ち運べるSteam
PCというプラットフォームにおけるゲームは、コンソールとしていくつかの統合型シェルによって統一された環境が実現している。
Originもその一つだが、その中でもとびきり有名なのがSteamである。
Steamは、Steam OSという独自OSでも動作する環境を提供していて、ハードウェアとしてはIntelコアやAMDコアを搭載した環境でありながら、独自のOSでゲームを提供したりしている反面、Windows環境下でも同じように動作する状況を用意しているため、そのユーザーも実に幅広く、専用機すら用意されている環境を持っている。
今回、その専用機とも言える一つのハードウェアが、Kickstarterにて出品された。
その名は「SMACH Z PRO」と呼ばれる製品で、6型フルHD液晶を搭載したPS VITAのようなスタイルのSteam Machineである。https://www.youtube.com/watch?v=AgppMAo1-V8スペックは結構高くて、CPUがAMD Merlin Falcon RX-421BD(2.1 GHz、12~15W)、GPUはRadeon R7(800MHz)、メモリ/ストレージはSMACH Zが4GB/64GB、SMACH Z PROが8GB/128GBというから、PS VITAと比べてもかなりハイスペック。バッテリ駆動時間もコレで5時間あり、通信機能として5GHzのWi-FiとBluetoothを搭載、外部出力としてHDMIとmicroSDカードスロット、そしてUSB 3.0 Type-Cを装備している。
搭載するOSは、Windows10もしくはLinuxを選択できるようだが、そもそもこのSteam MachineはWindows10に合わせて設計されているわけではないとの事で、Linuxが推奨されているようである。
どちらにしても、かなりのスペックを持っているため、WindowsPCで動作するSteam上でのゲームはほぼ動作するとみて間違いない。
プラットフォームが固定化する
PlayStation、Xbox、Steam、Origin、等々、最近はスタンドアロンで動作するゲームよりも、統一された特定の環境下で動作するソフトが多い。
もともとPlayStationとXboxはコンシューマ機であるから、統一プラットフォームが当たり前の世界ではあるが、SteamやOriginなどはWindowsベースで動作する統合シェルでしかなかったところが、今やSteamに関しては完全にOSとして独立するまでに至った。
これは予見されていた動きではあるものの、実の所思った程進んでいるわけでもない。やはり専用ハードを持っている環境の方が統一されるワケで、Steamはその方向に舵を取り、ついには本家ではないもののモバイル機器にまで進出してきた。
日本ではあまりなじみのない状況ではあるが、世界的にはPCゲームというプラットフォームには一定以上の市場があり、今やプロが存在するぐらいの市場規模になっている。
そういう中での今回の「SMACH Z PRO」、果たして見事発売にこぎ着ける事ができるのか?
Kickstarterのプロジェクト遂行のための達成金額は250,000ユーロで、現時点では約200,000ユーロ近くを集めているようだが、残り期限は30日と、ほぼ一ヶ月前となっている。
のこり20%、上手くいけば新しいガジェットの誕生である。