PCオーディオの見直しに一考あり?
とにかく小さい
JVCケンウッドからケンウッドブランドの手の平サイズの超小型ハイレゾオーディオ「KA-NA7」が11月下旬に発売される。
この「KA-NA7」は、同じくJVCブランドで「EX-NW1」としても発売されるのだが、「EX-NW1」は独自チューニングが施され、筐体の一部に使われているネジが銅メッキになっていたり、異種金属ワッシャと組み合わせられていたりしている製品になる。
なので「EX-NW1」の方が1ランク上、という位置付けにも思えるのだが、基本的に中身は同じであるため機能としては同じ。違うのは前述の独自チューニングとそれぞれのブランドが組み合わせるスピーカーに違いがあるのみである。勘違いしないために言っておくが、「KA-NA7」はマッチするハイレゾ対応スピーカーが別売りで、「EX-NW1」は後述するが非ハイレゾ対応のスピーカーが付属する。この「KA-NA7」や「EX-NW1」だが、CD時代のコンポから変化した事を暗に示すため、横幅が11cmとなっている。CDは12cmサイズであるため、それよりも小さい、という事をアピールしているというのである。
機能としては、USB DAC、USBメモリ再生、Bluetooth受信、光デジタル入力、アナログ音声入力、スピーカードライブ用のアンプ、ヘッドフォンアンプを搭載している。これらがハイレゾ対応という形で纏まっているため、PCオーディオを小型かつ高機能な機器で纏めてしまいたい人にも良い選択肢になるのではないかと思う。
但し、この機器から出てくる音の特性がどんなものなのかはまだわからないため、気になる人は発売を待って実機確認はした方が良いと思う。
残念なところ
「KA-NA7」や「EX-NW1」には私なりに残念なところがあったりする。
それはまずDSDにネイティブ対応していないという事である。
ハイレゾを謳う以上、DSDには対応していて欲しかったのだが、残念な事に非対応である。
また、スピーカードライブ用のアンプを内蔵しているが、そのスピーカー端子がバナナプラグ対応の端子ではないという問題がある。個人的には、スッキリ接続する意味でもバナナプラグには対応していて欲しかった。これ、本体背面のスピーカー端子部分だけを取り外して、バナナプラグ対応の端子に変えられるとかできないのだろうか?
それともう一つ残念な所は、本体を小さくした結果だろうが、電源がACアダプタになってしまっているという事である。本体内蔵はやはり難しかったという事か。
その他の機能の特性としては、PCMは192kHz/24bitまでの再生に対応し、WAV/FLAC/MP3/WMAの再生フォーマットに対応しており、特に問題はない。
Bluetooth受信に関しても、A2DP/AVRCPのプロファイルをサポートし、コーデックもSBCに対応、NFCに対応する他、SCMS-T方式もサポートする為、特に困ることはないだろう。
また、これも利点ではあるのだが、スピーカードライブアンプとヘッドフォンアンプは各出力独立して処理されている。クォリティには一応拘っている、といえるだろう。
超小型ウッドコーン
JVCブランドから発売される「EX-NW1」は、その組み合わせるスピーカーとしてマイクロウッドコーンスピーカーが付属する。前述ではスピーカーは別売と記載したが、それはハイレゾ対応スピーカーという意味で「EX-NW1」にはハイレゾ非対応ながら卓上サイズのウッドコーンスピーカーが付属する。
このマイクロウッドコーンスピーカー、ユニットは3cm径で、外形寸法は76×110×131mm(幅×奥行き×高さ)しかない。重量も1本あたり520gと小型で、まさに卓上サイズと言える。
これだけ小型なので、当然といえば当然だが、音圧が低く、低温の再生帯域は極端に狭い。また音像がスピーカー面より後ろに定位するという問題も発生するため、このマイクロウッドコーンスピーカーではスピーカー背面に4cm径のパッシブラジエータを搭載している。他にもウッドコーン周りは従来のものと違う特性をいろいろ与えており、手が込んでいるといえる。
エンクロージャは密閉式で、小型スピーカー特有のエンクロージャの響きを利用した構成を取っている。よって、使用する材質も各場所によっていろいろ変えていたりと、スピーカー部のみならず、全体を非常に手の込んだ作りにしている。
前述したようにハイレゾには非対応となっているが、再生能力とハイレゾという言葉は必ずしも同じライン上で語られる話ではないと私は思っている。
音は常にバランスと共にあるはずで、このマイクロウッドコーンスピーカーは共振を考慮したり、解像感を考慮したりと、とにかくバランス重視で作られていると考えて良いと思う。
私のPCオーディオまわりの見直しの一環として、特に「EX-NW1」は一考の価値があるように今は思っている。
価格はそれなりにするが、USB DACを別でいろいろ考えるよりも、この一つで全てを纏めてしまい、音と利便性を統一するという手もあるかな、と思っている。
参考:impress AV Watch
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1029802.html