あまりにも基本的すぎて今まで気にしていなかった…。
自分を基準にしてはいけない
自分の知っている事を世の中の人の全てが知っているわけではない。
当たり前の事なのだが、時々「え゛っ…こんな事もしらない人がいたのか…」と思う時がたまにある。
もちろん、私にだって知らない事はあるし、きっと知っている人からすると「お前、そんな事もしらないのかよ」と言われるだろうとは思う。
しかし、あまりにも初歩的な事だったが故に、今まで気にもしていなかった事を知らない人がいるという事実にぶつかり、それならばとネタ切れの本日のBlogのテーマにしてしまおうと考えた。
それが今日のタイトルの件(件とかいて「くだん」と読む)。
とあるキッカケ
このテーマに行き着いたのは、とあるYouTubeの動画を見た事に起因する。
その動画は、PS4を接続する為に液晶ディスプレイを購入した、という動画で、リビングに置いてあるTVにPS4を繋ぐと、家族がいたりして実況動画を撮る事ができない為、自分の部屋にPS4を置きたい、だから液晶ディスプレイを購入した、という動画であった。
問題となったのは、この動画の中身ではなく、その動画に付けられたコメントである。
「液晶ディスプレイにPS4って繋がるのですか? 初めて知りました」
こんな質問がコメントされていた。
「液晶ディスプレイってパソコンとセットのものとばかり思っていました」
コメントはさらにこう続いていた。
(^-^;)\(・_・) オイオイ
と、思ったが、この思いこそ私の思い込みであり、知らない人だっている、という事である。
ただ、このコメントを書き込んだ人の言っている事も、理解できなくはない。
一昔前は、確かにディスプレイはパソコン用だったのだ。
それがパソコンだけのものにならなくなったのは、ディスプレイに搭載されている接続端子と、接続する機器に、とある変化が起きたからである。
今日は、この当たり前とも思えた事を私なりの見解の下、説明してみたい。
まずはその違い
TVを知らない人はいないと思う。ほとんどの家のリビングに置いてあったりする、放送局の番組を受信してそれを映像として視る家電である。
ではディスプレイは何だろう?
最近のTVも液晶パネルを採用したものが主流だから、液晶TVと液晶ディスプレイは、ほとんど見た目は同じだろうと思う。
ディスプレイと聞くと、パソコンに繋がっているもの、とかノートPCのフタになる部分にあるパネルという認識になるのではないかと思う。
よく「モニター」という言葉を使う人もいるが、モニターは見る人がその媒体を確認する行為と考えた方がよい。テレビモニターとかディスプレイモニターという言葉もあるので、誤解を受けやすい為、今回はモニターという言葉は使わない事にする。
このTVとディスプレイの二つの機器の違いとは何だろうか?
実は明確な違いが一つある。
それはチューナーを持っているか、いないか、である。チューナー、つまり受信機があるものをTVと言い、それを持たないものをディスプレイと言う。
…いや、もっと明確な違いがあるかもしれないが、便宜上このように使い分けるとわかりやすい。
TVは地上デジタル波という電波を受信するチューナーが内蔵されているものが多く、他にもBSやCSといった衛星波を受信できるチューナーを内蔵しているものもある。他にもケーブルテレビの通信波を受信できるチューナーを内蔵しているものもあり、よく3波対応チューナー内蔵なんて書かれている液晶TVもあったりする。
元々、このチューナーという機器は別の機器として独立していた時もあった。
その場合、TVとチューナーを何かしらのケーブルで接続し、TV側がそのチューナーからの映像信号を入力する事でその放送を映像として表示する。
最近の液晶TVは、このチューナーを内蔵しているので、特に意識する事なくチューナーからの映像信号を表示する事ができるが、元々は別々の機器だという事を考えると、液晶ディスプレイとの違いが見えてくる。
つまり、チューナーを内蔵していない液晶テレビは、液晶ディスプレイと(事実上は)同義なのである。もし違いがあるとすると、それは入力端子として何を搭載しているか、という違いだけである。
たしかDMM.comが格安で発売した、チャーナーを内蔵しないテレビという製品が発売されたかと思うが、これこそ正に液晶TVといいつつも液晶ディスプレイなのである。
入力端子
チューナーの存在を理解できればあとは難しい事ではない。
入力端子の事さえ解ってしまえば、液晶TVと液晶ディスプレイの違いは目に見えてわかってくる。
よく入力端子としてHDMIという言葉を聞くと思う。
最近のTVは、HDDレコーダーやBlu-rayレコーダーとの接続にもHDMI端子を使ったりするケースもあると思う(地上デジタルのアンテナ線でデイジーチェーン接続している場合もある)。
このHDMI端子は、AV映像業界が策定した映像信号をやり取りする為の端子規格だが、その昔はD端子やS端子、コンポジット(黄色い丸い端子)端子の発展したものがこのHDMI端子だと思えばいい。またD端子は、D3端子とかD4端子とかいろいろ信号の種別でさらに細かく分かれるが、ここでは一纏めでD端子と考えていて問題ない。
これらは全てAV映像業界が規格を策定しているのだが、このAV映像業界以外にも、パソコンやワークステーションの映像業界(VESAという団体)もあり、そこが策定した規格はAV映像業界が策定した規格とは異なるのである。
つまり、ややこしい話だが、TVなどの映像と、パソコンやワークステーションの映像では、元々扱うものが同じデジタル映像なのに規格を策定している団体が異なっているばかりか、扱っている端子も異なるという事である。
だから、家電扱いの液晶TVにはHDMI端子は搭載されていても、パソコンなどでは当たり前のDVI端子やDisplayPortという端子は搭載されていない(一部あるかもしれないが、それは極稀である)。
ところが、パソコンやワークステーションに搭載されているビデオカードは、その利便性などから、ビデオカード上にDVI端子やDisplayPortを搭載するだけでなく、HDMI端子も搭載している事が多く、それに対応するかのように、液晶ディスプレイにHDMI端子を搭載しているものが圧倒的に多いのである。
しかし、これもここ数年の話である。その前は、ビデオカードにはPCで使用する端子(D-sub15ピン端子やDVI端子)しか搭載していなかった事もあって、液晶ディスプレイはPC専用とも言えるような製品ばかりだったのである。
では、話を最初に戻そう。
PS4を接続する際に使用する端子は何であっただろうか?
そう、HDMI端子である。
つまり、PS4は家電である液晶TVにもHDMI端子で接続できるし、パソコンで使用する液晶ディスプレイにHDMI端子が搭載されていれば、それにも接続できる。
これが結論である。
ちなみに、その端子の中に流れる信号の説明をすると、さらにややこしい話になる。
HDMI1.4aとかHDMI2.0aなど、伝送信号と端子のバージョンによって実現できる機能や性能が異なり、今PS4 Proでそれが原因で揉めている問題があるのだが、この話はもっと根が深い問題なので、今回はあえて触れない事にする。
PS4を自分の部屋で
さて…ココからは私の現環境と理想を説明したい。
私の部屋には、基本TVは存在しない。
ホントは置きたいのだが、どうしてもメインの機器がPCになるのでTVは現段階ではスルーしている。
そのPCに接続している液晶ディスプレイのHDMI端子に、HDMIセレクターを接続し、HDMIセレクターにMonsterX U3.0RというキャプチャユニットとPS3、PS4、そしてPS VITA TVを接続している。
PCにコンシューマゲーム機の映像をキャプチャできるのは、このMonsterX U3.0Rというキャプチャユニットがあるからである。
私の様にPCにキャプチャしないというのなら、キャプチャユニットは不要で、単純に液晶ディスプレイのHDMI端子にそのままPS4などを接続すれば良い。
私はこの環境で液晶ディスプレイでPCの映像とコンシューマゲーム機の映像双方を表示させている。今はデュアルモニタ化もしているので、場合によっては片方をコンシューマ機器の表示に、片方をPCを表示、と使い分けている。
最近、普通に情報を垂れ流す意味で、TV映像も欲しいなぁ…と思っているのだが、そのTV映像も普通にTVを購入する、という手段は考えていない。
どういう手法を考えているかというと、ここにnasneを追加して、nasneに地上デジタル波のアンテナ線を接続、その映像をLAN経由でPC上に表示させようかと考えている。その場合、専用のアプリケーションを購入する必要があるが、利便性を考えればこの選択は最良と考えている。
nasneの映像の場合、何もメインPCからだけでなく、PS4やPS3でも表示できるので、そういう意味も含めて汎用性は普通のTVの比ではない。
最近はいろんな機器が同じプラットフォームで動作するように作られていたり、共通化した端子で接続できたりと、端子だけでなく機器側もいろいろと進化・変化している。
自分の好きな組み合わせで便利に構成できる。
自分なりの理想のカタチになるべく、いろんな機器がどんな特性があるのかを考えていけば良いと思う。
と言うわけで、今回は原点に戻ってみた。
私とて最初からいろいろ知っていたわけではないが、いろいろな機器が進化していく過程でどのような変化があったかを追いかけてきた結果が今の私である。
そういった長いスパンで進化を見てきたわけではない人がイキナリ詳しくなる事はできないだろうが、せめてどんな規格でどんな事ができるのか、などを知っていく事で、今よりは詳しくなれるだろう。
こうした基本に立ち返るような情報を今後も書いていきたいと思う。
注意:
専門的な話となればもっと正確で詳しい情報が必要だろうが、一般的にはそこまでの専門性は必要ないと私は思っている。もっと正確な話をしたい人もいるだろうが、そういうのは専門家に任せておけばよく、普通に使えるようになるために知っておいた方がよい事だけわかっていれば何とかなるものである。と言うわけで、私の情報はその程度のもの、と考えてもらいたい。
私も専門家ではないので…。