これからが本番という事か…。
ようやく出てきたHDR対応モニター
PS4 Proが登場し、HDRという言葉が以前よりグッと身近になった感じがしたが、依然としてPCモニターでHDRという規格に対応したモニターというのは存在していなかった。
液晶TVにしても、メーカーによって完全対応していたりしていなかったりと、不安定な対応状況が続くHDRだが、PS4 Proの映像を観た人のほとんどは4KというものよりもHDRの方が感動を覚えるというぐらい、その効果は絶大なものである事が窺い知れる。
しかし、対応しているデバイスがないのであれば、観たくても観られない…多くのPS4 Proユーザーはそうしたジレンマの中にいたのではないかと思う。
だが、その状況は今年徐々に変わってくるのではないかと思う。
ようやく、LG電子から4K+HDR対応モニターが発売される事が発表された。
ラスベガスで開催しているCES 2017にて、LG電子は4K+HDR対応モニター“32UD99”を発表した。31.5型IPSパネルを採用し、4辺も狭額縁仕様でスタイリッシュに見える。
何より嬉しいのは、LG電子のロゴが狭額物仕様のベゼルだけに記載されていない事。ダサいロゴが見えないだけでもスタイリッシュに見えるが、4辺全てが狭額縁でさらにスタイリッシュというのは、実に好ましい。
スペックとしては、HDR 10規格をサポートしていて、ピーク時最大550cd/平方mの高輝度&高コントラスト比となっている。他にも、DCI-P3カバー率95%の広色域表示にも対応し、カラーキャリブレーションもサポート。プロの映像処理用途にも耐えうる仕様となっている。
また、AMD FreeSyncにも対応していて、応答速度は5ms(中間色)と高速。
スペックだけ見れば最強の仕様と言えるモニターである。
…ま、それだけに未発表の価格がどれぐらいになるのかが気になる製品ではあるのだが。
消えたDVI端子
この“32UD99”の映像入力ソースだが、USB Type-C、DisplayPort 1.2、HDMI 2.0a×2を搭載する。USB Type-CはUSB PDもサポートしていて60Wの電力供給も可能なのだが、DVI端子がない事に気がつく。
完全にデジタル端子のみを搭載する傾向は数年前からトレンドになりつつあるが、DVI端子まで外してくる製品は珍しいかもしれない。だが、今後この傾向はどんどん増えていくと言われていて、そろそろインターフェースにも世代交代の波がやってきたという事かもしれない。
…とここまで書いて、ふと気がついた。
そうか、DVI端子では4K表示やHDR表示が伝送速度的に難しいからなくなるのか(爆)
時代が求める要求に性能が付いて来れなくなれば、当然消えていくのは当たり前。そういう事なのだろう。
唯一の両立モニタか?
この“32UD99”は、前述した通りHDR 10規格をサポートしているが、これが即ちPS4 Proを接続した時にHDR対応モニタとして認識するかどうかは、私にはわからない。実際の所、繋いでみないと解らないというところではないかと思う。
これは4K+HDR対応液晶TVとして発売されている製品でも微妙に対応できていたりできていなかったりする問題と同じで、現時点ではやってみないとわからない。
だが、規格として成立している以上、今はPS4 Proで認識しなくてもファームウェアアップで対応する可能性はある。
そういう意味では、この“32UD99”は液晶TV以外で現在唯一PCとPS4 Proを共存させる事のできる製品になるのではないかと思う。
ただ…やはり気になるのはその価格。
まだそういう情報は一切出てきていないのだが、少なくともキャリブレーションに対応しているという時点でプロ用途モニターの価格帯に乗っかってくるのではないかと考えられ、10万円を下回ることはないだろうと私は予測する。
これが5~6万円だったら…爆発的に売れるんじゃないかと思うのだが、まぁ無理な話だろうな…。