ベンチマークが公開されはじめたRyzenが面白い事に。
期待高まる
2月末から3月頭にかけて、Ryzenが発表、発売になるという話が出ている。
もう数週間先の話であり、ここに来てそのベンチマーク結果等の話がネット上を駆け回るようになり、その結果を見る限り、期待するなという方が無理という情報が飛び交っている。
以前、このBlogでも記事にしたが、RyzenはRyzen 7、Ryzen 5、Ryzen 3という3種シリーズとして発表されるが、Ryzen 5のみ、6コア12スレッド版と4コア8スレッド版の2種が存在する。
問題はそれぞれの性能だが、Intelコアと比較しても十二分な性能を発揮しているという話ばかりである。
特にRyzen 7 1700XのES品では、Core i7 6900Kに肉薄する結果を示しているが、この上位版である1800Xは、クロックのBoost機能がOFFの状態でありながらほぼほぼ6900Kの性能を超えるという結果を示しているという。
この1800Xは499ドルという価格設定と噂されているため、その価格でこの性能だとするともはや価格破壊の領域である。
私的には1700Xくらいの性能でも十二分なのだが、その1700Xが385ドルというプライスになっている時点で、これはもう価格破壊なのではないかと思っている。
また、私が気にしていたコアに内蔵する対応命令だが、x86-64はもちろん、その他にもSSE4.2、SSE4A、AVX、AVX2、FMA3、AMD-V、AESがCPU-Zのスクリーンショットで確認されているという。
IntelのKaby Lake等だと、この他にもTSXやものによってVT-xなども命令として加わることになるが、そもそもTSX命令はサーバ向けの命令である為、クライアントとして使用する上では大凡Kaby Lakeと同等の命令に対応していると言えよう。
マザーボードの価格も魅力
Ryzenシリーズで私が一番期待しているのが、マザーボードの価格が安いという事である。
Intel系のマザーボードは、ハイエンドクラスになると価格が6万円を超え、7万円台という超級マザーボードが存在する。
ココまで来ると、何がどうなってこんな価格になったと言いたいぐらいのコストだが、RyzenのAM4マザーだと、現時点で2万円弱ぐらいの価格、高くても3万円台ぐらいに収まる傾向にあると言われている。
何が価格の違いに繋がっているのかはよくはわからないが、少なくともチップセットであるX370の価格そのものはIntelのZ270と比べて圧倒的に安いのではないかと思われる。
もしこの価格が事実だとすると、上手くすればRyzen 1700Xとハイエンドマザーであっても6万円台に収まる話になる。
もしIntel製品で同じだけの性能を追求すると、9万円台くらいは優に超え、10万円に届く価格と想像できる。
これだけ差が付くと、流石にIntelもKaby Lakeの価格の見直しをしてくるのではないかと思われるが、こういうのはCPUだけの話ではなく、マザーボード等の周辺含めた話であるため、Intelだけが価格を変えれば良いという話とは異なってくる。一度出来上がった製品価格は、複数のメーカーが関わると早々変わらないため、AMD側でRyzenはコスト勝負である事を打ち出して販売すれば、消費者側をガッチリ掴む事は可能だろう。
トータルで考える
今回のRyzenを全てトータルで考えた時、どれぐらいの性能になり、またどれぐらいのコストになるのかという事を改めて考えると、CPUやマザーボードの性能や機能については概ねIntel製と比較しても同格、コストについてはかなり有利、という事になる。
ここで唯一性能的に気になるのが、ストレージ含めたさらなる周辺機器に関しての問題で、コイツがどれぐらいのコントローラーで接続できるか、という問題である。
現状では、CPU側でPCI Express x16は確実にドライブさせる事ができる事はわかっているが、問題はチップセット側でどれぐらいのコントローラーを内蔵してくるか、というところである。
昨今はM.2ドライブなどもPCI Express x4で接続されたりするため、このPCI Expressの接続レーン数とその速度が全体的な速度を左右する重要なファクターになっている。
IntelはKaby Lakeで24レーンのコントロールを可能にしたが、Ryzenでは最終的にどれぐらいのコントロールが可能なのかが今一つ見えてこない。
実際にはもう見えているのかも知れないが、私が知る限りで見えてこない為、私の中では最終的な性能が見えてきていない。
まぁ、ストレージの事が主なので、揺るぎないものが揺らぐ事はないとは思うが、今の時代は全体的な性能のボトルネックになる部分がストレージだったり、或いはメモリアクセスだったりするため、この部分で全体のもっさり感が出たりする。
人によってはストレージをRAID 0のSSDで構成したりする時代である。ここの感覚は全体の動作感覚に直結する事もあるので、気にする人は気にする部分であり、場合によってはココが速いと全体を速く感じる人もいる。
それだけに性能を語る上では気になる部分ではある。
トータル的なコストは、おそらくCPUとマザーボードで大きくIntelと差が開く事になると思われる。
それは今までも説明してきたとおりであり、AMDの最大の売りでもあるため、揺らぎない部分だろうと思う。
なので、コストで最新スペックを躊躇っていた人は、ある意味朗報と言える。
UHD BD
Intel製が現時点で圧倒的優位に立っている部分があるとすれば、それは4K解像度とHDRを実現しているUHD BDの再生機能という部分だけではないかと思う。これは以前Blogで記事にしたとおりで、Intelの内蔵GPUの機能を使ってセキュリティを確保している現状では、他は対応すらできない状況である。
ココはディスクリートGPUが今後どのように対応していくかが問われる部分であり、おそらくNVIDIAもAMDも何かしらの対策を考えているとは思うが、今のところそれが全く見えてきていない。
PCでUHD BDを再生させる事を想定している人は、今はIntel製しか選べない。
まぁ、これも今年中には何かしらの対策が見えてくるだろうし、どうしてもUHD BDを再生させたいという事であれば、Xbox One Sを含めた専用プレーヤーを購入すれば視聴はできる。
まだまだコレからのテクノロジーの部分なので、今後の様子をじっくり観ていく必要はあるだろう。
私は、多分焦る事はないと思っている。
総じて、今回のRyzenは現時点の噂を信じれば購入しない選択肢はない。
性能よし、コストよし、となれば、選ばない人はいないだろう。
どうしてもIntelコアでなければならない、という人以外であれば、十分検討する価値のある構成であると私は思っている。