ひな祭り? コッチはそれどころじゃない。
Nintendo Switch
3月3日は、Nintendo Switchの発売日である。
正直、私自身はそこまで期待はしていないハードウェアではあるものの、それでもあの任天堂の新製品という事もあって、期待している人も多い。
特にフレキシブルに据置き型とモバイル型に変化する本体に魅力を感じている人も多いのではないかと思う。
Nintendo SwitchのCMなどでは、一人で遊んでいるところから、いかにも楽しそうに複数人で遊べる姿を見せ、それに柔軟に対応する本体の在り方をアピールしているが、実際複数人がワイワイと集まってプレイする環境というのは、現在ではかなり特殊な状態なのではないかと思う。
据置き型としては、ハードウェアパワーが圧倒的にPS4やXbox Oneより劣る部分を、任天堂らしい切り口で割り切ったNintendo Switchだが、果たしてその割り切りがどのように受け止められるのかが気になるところである。
まぁ、この割り切りに関しては私としても納得できる部分は多々ある。
例えばPS4 Proは、まだ4KやHDRの表示環境が各家庭に浸透していない状況で対応し、これが次世代だと言っているが、任天堂はそれに真っ向から反発し、現環境で実現できない機能を今搭載する必要はない、という切り口でNintendo Switchを開発している。
これに関しては確かに納得できる部分ではあるが、Nintendo Switchはそれ以外のハードウェアパワーも若干足りない部分がある。あえてスマホと同等かそれより少し上のパワーで勝負してきたところに限界を感じるのは、おそらく私だけではないだろう。
「枯れた技術の水平思考」を絶対的指標にしているわけではない、としつつも、出来上がってくるハードウェアが今一つ中途半端感を感じるのは、やはりVRなど新しい方向性がNintendo Switchからは見えてこないというのが理由かもしれない。
Ryzen
Nintendo Switch? バカ言ってんじゃねー、3月3日はRyzenの発売日だろ?
おそらくコレを言いたい人もいるのではないかと思えるほど、今自作PC派はRyzenが熱い。
ここ数年ずっとIntelの後塵を拝してきたAMDの、急激な追い上げの中生まれたRyzenは、IPCがBulldozerコアの40%上乗せという結果をもって登場した。
その性能はIntelの上位コアを超える勢いで、しかもベンチマークでその証拠を示しつつ、価格をIntelの半額近い状態に持ってきた。
ここ数年見てこなかった、劇的な(良い意味での)市場荒らしである。
コストパフォーマンスに優れ、低価格でハイスペックを実現できるRyzenだが、ただ、以前よりこのBlogで書いてきた内容と最終的な結果で、いくつか食い違いが出ているので、その事には言及しておかねばならない。
AMDは2万円台後半という予測でマザーボード価格を見ていたという話があったが、最終的にX370チップセットを搭載したマザーボードは、現在の市場の流れから高級化が進み、最大で4万円をちょっと超えるぐらいの価格になって発売される見込みとなった。
平均で言えば、おそらく3万円台後半といった所だが、それでもIntel製品より安いという事は間違いない。
Ryzenの最上位コアである1800Xが59,800円でマザーボードが4万円だとすると、これで10万円に達してしまう状況になり、予想よりはIntelとの価格差がなくなってしまった。
もちろん、同じ性能をIntelで実現しようものなら、15~20万円近い価格になってしまう事を考えればコストパフォーマンスに優れる事になるのだが、当初の総額でも半額となる状況は実現しなかったと言える。
どっちを買う?
Nintendo SwitchとRyzen、どっちを買うか? という事に関しては、お金のある人は両方どうぞ、といった所。
だが、どちらかを選べという事になると、それはもうその人が目指すものが何なのかで決まってくる。
ゲーム一択で他に選択肢がないという人はNintendo Switchに突貫すれば良いだろうし、PCこそ至上と考えている人はRyzenに突貫すればいい。
ただ、面白い事にNintendo SwitchのベクトルとRyzenのベクトルの両方を持つ人が実は意外といるという事実もあったりする。まぁ、PCマニアは元々ゲーム好きである事が多いからである。
そういう人は明日のような日は実に悩ましいところがあるかもしれない。
Nintendo Switchの、形態を変化させるデバイスというのにも興味を惹かれ、RyzenのIntelでないコアでの実力にも興味を惹かれるのだから、悩ましいのもよく分かる。
実際、私自身もゲーマーだし自作PCマニアだったりするので、その気持ちはよく分かるのだが、どちらかを選ばざるを得ないとなれば、私ならRyzenを選択する事になるだろう。
私の環境としてメインPCの入れ替えの時期にある、という理由ももちろんあるが、Nintendo Switchで発売されるタイトルは場合によってスマートフォンやそのほかのデバイスで代替できる可能性があるからである。
もちろん、任天堂のみのタイトルは他デバイスでの実現はないかもしれないが、クロスプラットフォームでの開発を行っているタイトルは間違いなく他プラットフォームでも発売するし、マシンパワーで考えればそれが不可能とは思えない。
ハードとソフトは、現在では分けて考えるのが通例で、一部ハードウェアメーカーがソフト開発しているものについてのみ、マルチプラットフォームにならないケースが考えられる。だから私ならあえてNintendo Switchに突貫する事はないと考えている。
まぁ、人によって様々なので、どう考えるかは最終的にその人次第だが、私なら今まさにオイシイRyzenこそ選択肢だと思っている。
Ryzenの課題
私なら選ぶとしたRyzenにも課題はある。
それはIntelコアでないと実現できない事がある、という事である。
現時点ではPCによるUHD BD再生はIntelコアでないとできない。デコード信号を処理するためにはIntelコアに内蔵されたハードウェア機能が必要だからだが、そもそも汎用性が必要なUHD BDの再生という問題に対し、Intelのみで今後も対応していくのかと言えば、それはあり得ない話であり、またこれはビデオ出力全ての問題であるため、GPUメーカー全体が対応を今後検討していく必要がある。今は待ちになってしまっているが、今後の課題としていつかは解決されるものと思われる。
また、その他にも命令セットにもいくつかの違いがあると思われる為、プログラムを実行した際にIntelコアとは違った処理が行われる可能性がある。これは今回のRyzenに限った話ではないのだが、搭載している命令セットによって得手不得手が出てくる。同時に、場合によってはIntelコアなら稼働するプログラムがAMDコアだと稼働はしているが反応速度が遅く、結果プログラムがビジー状態と判断して機能が使えない、なんて事があり得るかも知れない。
この問題は実際に利用してみないと分からない話だが、問題解決には各メーカーの対応が必要な為、しばらく時間のかかる対応になるものと思われる。
ただ、こうした問題が考えられるとしても、Ryzenの性能は魅力的であり、一般的に困る事はそもそもない。
なので予算さえあれば突貫するという答えで問題はない。
そう、予算さえあれば、な(-_-;)