昨日、インパクトレンチのパワーが足りないと思った理由。
よくよく考えて見る
昨日、タイヤ交換を済ませてしまったが、その際にこの冬に購入したインパクトレンチを使ってみた。
タイヤ交換にコンプレッサーやインパクトレンチを使うのはもちろん初めての事だし、知り合いにいろいろ教えて貰ったときに補助タンクの必要性も理解はしていたから、その用意をした上でのチャレンジだったが、結果、インパクトレンチのパワーが思ったほど強くないという事実にぶち当たり、自分の中では結構残念感があったりする。
だが、果たして私の使い方は正しかったのか?
ひょっとしたら、致命的な思い違いで、本来の力が出ていなかったのではないか?
そんな気がしたので、今日はその状況の再現をしつつ、問題点をシミュレートしてみた。
構成を再現
まず状況を説明する。
私の部屋に置いてあるコンプレッサーだが、重量が20kg近くあるため地上まで下ろすのはしんどい。そこで、とりあえず2Fに置いてあるコンプレッサーはそのままの位置に配置する。
そして次に補助タンクだが、補助タンクとインパクトレンチを接続するホースが10mという状況から、補助タンクは車の近くまで持っていく事とする。
すると当然だがコンプレッサーから補助タンクまではエアーホースで接続する必要がある。2Fから地上まで、そしてそこから車の所までと距離にして約15m程だろうか。なので手持ちの内径6.5mmのエアーホースを2Fのコンプレッサーと地上の補助タンクまでの接続に利用する。
図にするとこんな感じである。コンプレッサーと補助タンクの接続に内径6.5mmのエアーホースを使った理由は、距離的な事もあるがそれ以上にインパクトレンチの能力を少しでも高める為である。
TONEのAI4201というインパクトレンチは、基本的に接続するエアーホースの内径は10mmとしている為、本当なら内径10mmのものを使うのが良いのだが、内径10mmのエアーホースはとにかく高いのと、取り回しが非常に悪い事から、今回8.5mmを選んで購入している。補助タンクとインパクトレンチの間を内径6.5mmを使うのと内径8.5mmを使うのとでは、発揮するパワーは内径8.5mmを使った時の方が大きくなる。その代わり補助タンク内の圧力が下がったとき、補助タンク内圧力が復帰する時間は内径6.5mmの方が時間がかかる。ここは内径の違いのトレードオフである。
また、AI4201の使用圧力は0.62MPaとなっているため、調圧バルブにて調節している。
この状況でタイヤ交換をしたわけである。
問題点を見つける
この構成状況から問題点を見つけるわけだが…パッと見た感じ、問題がありそうに見えない。
ちゃんと出力が最大限発揮できるようにするために、内径8.5mmのホースを補助タンクからインパクトレンチに繋げる部分に使っているし、問題はなさそうな感じである。
と、ここである間違いに気付いた。
何で補助タンクの圧力メーターが0.65MPaなんだ?
作業する時はこれで間違いないと思っていたから気にしていなかったけど、今にして思えば、補助タンクのところまで空気圧は最大値が来ていても問題はない(FX3701の最大圧力は大凡0.8MPa)ハズだし、どちらかといえば補助タンク内は最大圧力が来ている方が好都合である。何故なら補助タンクの所でも調圧してインパクトレンチまで出力しているのだから。
つまり、こうならないといけない。補助タンクの圧力メーターが0.8MPaになっていないのは、おそらく内径6.5mmのエアーホースを、コンプレッサーの調圧口に接続していたためである。
つまり、内径6.5mmのエアーホースをコンプレッサーの無調圧口に接続していれば、前述の「正しい構成図」のような形になるハズである。
この違いの問題に気付かない人もいるかもしれないが、今回検証した「構成状況再原図」では、補助タンク内の空気圧はどんなにがんばっても0.65MPaより上がる事はない。しかし「正しい構成図」では、補助タンク内の空気圧は最大の0.8MPaまで上がっているため、よりインパクトレンチに近い場所まで高い圧力が届いている事になる。
最終的には調圧して0.62MPaになるので同じでは? と思うかも知れないが、補助タンク内の圧力が下がった時にこの差が大きく出てくる事になる。空気圧は常に同じ値になっているとは限らないし、使えば圧力は当然下がり、圧力復帰の為の追加圧力を行うタイミングによっては、パワーは上がらない事だってあり得る。
些細な事で変わる可能性
今回のこの問題、もしFX3701に調圧バルブが最初から付いておらず、調圧口がなかったとしたら、すぐに気付いた問題かもしれない。
というか、補助タンクなんて扱った事もないし、どうすればどの場所まで最大圧力になるかなど、経験上知っているはずもない。
というわけで、これを一つの教訓として今後に活かしていこう。
もっとも、この問題でインパクトレンチが爆発的に高出力になるという事もない。もともとの出力として0.62MPaと規定されている以上、劇的にパワーが上がる事はあり得ないのだ。
だから場合によっては、その最大パワーを引き出すために内径10mmのエアーホースの導入も検討した方がよいかもしれない。
たかだかタイヤ交換にそこまで…と思うかも知れないが、とにかく今日のタイヤ交換時に感じた、ナットの硬さたるや、尋常ではなかったのである。
まさか私が全体重を掛けてクロスレンチの上に載ってもなかなか緩まないとは…実に恐ろしい。
体の負担の事を考えても、使える道具はちゃんと使える状態にしておきたい…そう考えているだけの事である。