コーン部が木製というのはウッドコーンだが。
ほとんど木でできている
Konohazukという企業がある。
合同会社という、あまり耳慣れない形態を取っている企業だが、元々木製打楽器などを全国の楽器店に展開したりしていたbeatingという楽器ブランドを運営していた人が新たに加わった人と共に立ち上げた企業で、現在はデザイン(元々はデザインから始まったそうである)事業、楽器事業、オーディオ事業を業態としている。
そのオーディオ事業の中で、昨年春にクラウドファンディングで資金調達していたのが「Konohazuk H3」というヘッドフォン。見て分かる通り、そのほとんどが木でできたヘッドフォンである。
今まではクラウドファインディングによる出資者への販売を進めていたが、公式オンラインストアや、Amazon Launchpadストア、 ビックカメラ旗艦4店舗(池袋本店/有楽町店/新宿西口小田急店/新宿東口店※ビックロ)などで販売を開始した。
価格はオープンプライスだが、直販サイトでは29,800円(税込)となっている。
よくできている
簡単に説明すると、40mm径のドライバユニットを搭載した密閉型のオンイヤーヘッドフォンになる。
本体ボディに国産のブナ材を使用してハウジングは無垢材からの削り出しという手のかかったモノ。最終的には職人の磨きを経て完成する逸品で、木目や色が製品によって異なり(当然だな)、使い込めば風合いも変化する。
ヘッドバンドにも木材が使われているが、これは薄く書こうしたブナ材を貼り合わせた合板で、特殊な工法で曲げて側圧を持たせている。
オモシロいのは各部品がモジュール式になっていて、部品交換が簡単にできるという事。また当然だがケーブルも着脱できる。
再生周波数帯域は20Hz~20kHz、インピーダンスは32Ω、最大入力は1,000mW、ケーブル長は1.5mで、プラグはL型ステレオミニを使用している。スペックは平凡だがハウジング全体が木材なので、こうした数値では出てこない音が期待できる。
製品としてはとてはとても面白いモノと思う。
もう一手欲しい
この「Konohazuk H3」だが、私としては製品としてはとても魅力的だがもう一手欲しいと思わせる製品である。
コノ手の製品を購入する人は、もう既に普通の製品では飽き足らない、という人が大多数だと考えられる為、変に価格だけを意識してもダメだと思う。
搭載するドライバーユニットをウッドコーンにするとか、ハイグレード品にするとか、そういう所にも拘りやアイディアが欲しいところである。
また、私はこの木製ヘッドフォンの質感の良さがあるなら、あえて有線ヘッドフォンをやめて、ハウジング内にバッテリーや通信モジュールを入れてBluetooth接続のヘッドフォンにしてしまっても良かったのではないかと思う。
もちろん、標準品として「Konohazuk H3」という製品があっても良いので、これからバリエーションを作って行くという事もできるだろうから、ぜひとも今後の展開に期待したいところ。
それにしても…モジュール式で部品を交換できるというのはいいと思う。
交換したいと思うのは、何もケーブルだけではないのですよ、こういうのは…。