先に言っておくと多少ネタバレあり。但し確信は突いてない。
目的地にたどり着けない…
NieR:Automata、ゆるりゆるりとプレイしている休日ゲーマーな私だが、ようやく3周目に入った。プレイ時間は実はこの時点で60時間を経過しているから、結構な時間をプレイしている事になる。普通なら、1周目を10時間もあればクリアできるとされているところ、私は2周を60時間、つまり1周30時間近くかけている事になる。
実に普通の人の3倍。かけ過ぎである。
何故ここまでかかっているのかというと、それは前回説明した通り。
とにかくいろいろな所をぐるぐる回っている関係で時間ばかりかかっている。さっさとシナリオを進めればこんな時間はかからない。
だが、何とか3周目に入ったはいいが、3周目は1周目と2周目の流れとは全く異なる流れになる。簡単に言うと1周目と2周目は同じ時間軸を違う主人公の視点で見ているという事。しかし、3周目は今までの時間軸の後の話へと繋がっていく。周回プレイが当たり前のタイトルとは言うものの、ここまで全く違う内容になるとこれはもう周回プレイという言い方は違うような気がしないでもない。
そう思いつつ、3周目を開始したのだが、イキナリドン詰まった。
レベルが高い為、最初はサクサク進める事ができるのだが、作戦展開中にイベント発生、そのイベント内で大きなトラブルが発生し、組織から負われる身になってしまう。問題はココからで、なんと自身が論理ウィルスに感染してしまい、被害を最小限に食い止めるべく、ある目的地までウィルス被害を被りながら移動するのだが…これが上手く移動できない。
既にウィルスによって戦闘もままならない状況になり、ただひたすら逃げるしかできないのだが、時間と共にドンドンと状況は悪化し、高低差のある地形を乗り越えたり飛び越えたりできない状況になり、結果時間切れというサイクルから逃れられないのである。
こればっかりは、いくらレベルが高くてもイベントなのでどうにもならない。
さて、これはどうやってクリアすべきなんだろう?
地形を把握する
この論理ウィルスイベント、当初は時間がない事から最短距離で目的地に向かうしかない、と私が思い込んでいた所があり、それが実は罠だったようである。
この最短距離の方に向かうと、敵との遭遇が多いようにできていて、ちょっとだけ大回りをするルートを通ると、敵がぐっと少なくなっている…というか元々敵の配置がそうなっていたようである。
簡単に説明すると、論理ウィルスに感染してから逃走する際、水没都市から廃墟都市に向かう水路があるのだが、その水路を抜けた後、最短距離では水路を出てすぐに右に向かうのだが、それを左に向かい、その後、その水路の上を迂回するように向かうと、1箇所だけ大ジャンプの必要があるが、そこだけ気をつければあとは高低差のない道を進むだけだった。
これは地形と敵の配置を知っていれば、最初から分かるルートだったかもしれない。オープンワールドという自由度の高いシステムだからこそ、選択肢が沢山あるわけだが、それ故に陥る罠でもある。
そこをクリアできてしまえば、3周目の序盤はクリアしたも同然で、その後衝撃的なイベントが発生、3周目の分岐ルートへと進んで行く。
ある意味、NieR:Automataという作品イメージの最も中核となる展開である。
ようやくA2の登場
NieR:Automataの当初から公開されていたキャラクター紹介で、私がとても気になっていた事が一つある。
それはA2というキャラクターの存在で、何故かコイツだけは同じヨルハのアンドロイドなのにアルファベットが最初にくる名前になっている。
2Bや9Sなどは数字の後ろにアルファベットという並びだが、何故かA2だけは逆で、しかも1周目と2周目では妙な立ち位置で登場するから、実に捉えどころの無い存在である。
名前の並びが異なる理由はわからないが、とにかく存在そのものが普通の立ち位置ではないA2がこの3周目にしてようやく本格登場する。
ヨルハとの関係は実際にプレイしている人であれば1周目からわかる話だが、コイツがプレイヤーキャラクターとして扱えるようになるぐらいの展開が3周目にはある、という事である。
で、このA2だが、当初は選択制になっていてA2を操作するか9Sを操作するか選ぶ事になる。
物語上、9Sの展開も気になるのだが、私はとりあえずA2を先に終わらせる事にした。理由は不思議設定だからである。どういった経緯で今の状態にあるのかなど、今までなかった情報だけで成り立っているキャラクターなので、やはり気になると言えば間違いない。
恐らく、周回プレイの中で9Sをプレイする事もできるハズだから、まずはA2をプレイしてその背景を知っておけば、9Sのプレイの中でもその情報は私の情報として役に立つだろう。
しかし…近接戦闘用と言われているA2の接近戦はハンパなく強い。特に自爆モードがなくなり、代わりに搭載されているバーサーカーモードは諸刃の剣とはいえ、凄まじい威力で敵をなぎ払っていく。ある意味、爽快である。
この世界の人類
A2を操作できるぐらいまで本筋のストーリーを追っかけていくと、私がかつてNieR:Replicantからの続編としてその存在を気にしていた人類の様相というものが既に見えてきている。
NieR:Automataでは、人類はエイリアンに対して月に撤退している事になっているが、NieR:Replicantではそもそもゲシュタルト計画によって人類がその魂を入れ戻すはずだったレプリカント(人造人間)が自我を持ち、さらにその人類の魂をレプリカントに入れ戻す役目であったデポルとポポルを倒してしまっていて、人類復活の術がなくなっているという状態だった。だから本来ならNieR:Automataの世界では人類は存在していないハズだったのである。
そういう流れの中でのNieR:Automataの人類月面存在説だったから、果たしてこれがどういう事なのかがとても気になっていたのだが、ちゃんとその設定は生きていた。その上での新展開がNieR:Automataでは繰り広げられる。
そしてNieR:Replicantで倒したハズのデポルとポポルがどうしてNieR:Automataで再登場しているのか? この秘密も、恐らくは語られる事になるだろう。私の進行度合いではまだこの話には触れていないのだが、語られそうな雰囲気はある。
この状況を作り出しているNieR:Automataという作品は、とても興味深い作りと言える。
結局名作とは何なのか?
ゲームにおける名作と呼ばれる作品は、もちろんそのジャンルによって意味は変わってくるとは思うが、NieR:AutomataのようなアクションRPG含めたRPGと呼ばれるゲームの場合、やはりその中核はストーリーであり、雰囲気(時にそれは世界観とも言う)であると私は思う。
以前、NieR:Automataは評価が分かれるという話をしたが、私はNieR:Automataは紛れもない名作だと思っている。NieR:Automataはゲームとしてダメと言っている人は、その作りの粗さだったり、アクション性の方向性が違うなどという事を言っていたが、私はその評価はこのゲームの作り手の見せ方の問題だと思っているし、場合によっては些末な事とすら思っている。
本作は紛れもなくストーリー中心の物語を原点にもつ、キャラクターの追体験を実現したもの、つまりRPGだと思っている。だからまずその世界観がシッカリしている事はとても重要だし、その世界で紡がれるストーリーがちゃんとできていないと意味はないとも思っている。
しかし、そのストーリーを体現するにあたって、ゲームとして構成する関係から組み込んだアクション等については、必ずしもそれが良く出来ていなくてもストーリーとしては減点にはならないと思う。もちろん、ゲームが面白ければなお良いのだが、まずはストーリーであり、雰囲気である。
逆にゲーム部分が稚拙だったりすると、余計にストーリーの良さが際立つ可能性すらある(だからといってゲーム部分がダメでも良いという事ではない)。
時々、ゲームとして満点と呼ばれるゲームがあっても、すぐに人々の記憶から消えていく作品がある。それらは、ゲームのアクションや操作、その挙動等がものすごく細かく作られていて、リアルさを感じる名作ではあるのだが、ストーリーが大味だったりすると、結局すぐに忘れ去られてしまう事がある。果たして、そういう作品は本当の意味で名作なのだろうか?
考えるに、世間的に言われている名作と呼ばれる作品は、この二極に分かれるのだろうと思う。
ストーリーは大味だが、ゲーム性が飛び抜けて良く出来ているか、ゲームに多少不満があるが、ストーリーや世界観、雰囲気は抜群に良くハマッた、の二極である。
NieR:Automataは紛れもなく後者であり、その儚くも美しいストーリーは、不満の残るアクション性を忘れさせるほどの良さがある、と私は信じている。
それにアクションにしても、キャラクターの魅力がそのアクションを補っている所もあり、あとは気になるゲーム性だが、これにしても演出の仕方という言い方もできる。
私は世間で言われている程のダメさ加減とは思わないのだが、ここは人によっての評価なのでそれを受け入れた上で、ではNieR:Automataは名作だったか? という事を再評価した方が良いように思う。
私は作品全体として捉えた時、NieR:Automataは紛れもない名作だと思うが…さて、世間的にはどうなのだろうか?