やはり実現は難しかったという事なのか…。
誤記で許される事なのか?
UPQから発売された50型4K液晶ディスプレイ「Q-display 4K50」および「Q-display 4K50X」、「Q-display 4K65 Limited model 2016/17」に関して、同社より12日に「120Hzは誤記であり実際の仕様は60Hzだった」と発表されていた。
本Blogでもこの製品に関して取り上げた事があるが、その時も120Hz動作に関してメーカーには詳しい情報が記載されていない、と書いたが、結局その後詳しい製品情報は記載されていなかったのかもしれない。本件に関してUPQ側では、購入者に対しては返金や120Hz駆動製品への交換ではなく、2,000円分のAmazonギフト券の送付で対応する。
この対応、購入者側として納得できるものと言えるだろうか?
元々、60Hzであるとか120Hzであるとかを気にして購入していない人からすれば、結果的に「あ、そうなんだ」と言えてしまう事かもしれないが、120Hz駆動するパネルという事で購入した人からすれば、詐欺に等しい結末だったと言える。
ただ、この製品をODM供給として受けているDMMは、返金対応すると表明しており、購入したメーカーによって対応が異なる。
何故こうなったのか?
UPQといえば、折りたたみ電動バイク「UPQ BIKE me01」を発売したメーカーとしても有名な新興メーカーだが、今回のような事が何故起きたのだろうか?
もちろん、この件に関して公式にメーカーからコメントが出たわけではないが、私が予測するに製品開発する上で、購買する部品の仕様確認が相当に甘かったという事が考えられる。
通常、製品開発する時には、自社で製造する事のできない部品は当然どこかしらの製造メーカーから部品調達する。
その調達部品の仕様を、製造メーカーが提示してきた仕様書どおりと受け止めて、自社内で確認できていない事が問題の一つを生み出したのではないか?
製品を開発する上で、当然試作を行うが、その試作の検証もどこまで細かく行われたのかが非常に気になる所である。
通常、製品開発は「レビュー」「検証」「妥当性確認」と3つの確認を行うが、これが甘いと当初作られた製品開発計画が正しく履行されているかが分からなくなる。その為、試作すれば当然第三者的な立場の人(もちろん無関係な人であれば機密情報が漏れるため全くの第三者という事はない)が検証や妥当性確認をするのだが、おそらくこの部分が相当に甘い、もしくはちゃんと行われていない可能性がある。
私がこの製品を購入したのであれば、そうした製品開発におけるDesign History File(設計履歴記録)を公開しろ、と言ってしまいそうである。
どちらにしても、メーカーとしては随分とお粗末な結果を残したな、と言わざるを得ない。
そう、商品のメーカーになるという事は、そうした責任の名の下にある、という事を企業はもっと真摯に受け止めるべきと思う。
まぁ、だからといって、ベンチャー企業が立ち上がってはいけないという事はない。ちゃんとした事をちゃんとした手順でやる。重要なのはソコなのだから。
チョット追記
この記事を記載した直後、いろいろネットを調べて見ると、今回の問題が発生した事についてUPQ側よりちょっとコメントが出ていたようである事がわかった。
「製造委託先との連携不足」という説明をしているようで、「具体的には、初期モデルの工場が買収されたことにより、生産工場を変更して以来継続してスペックの誤差が生じていることが判明した」という事らしい。
…チョット待て。
購買先を変更した場合、その購買先から購入する部品に関して再チェックしていたなら、こんな問題は起きていなかったはずである。
購買仕様書をUPQ側はちゃんと購買先に提示し、その後購入した部品のチェックをしていたのか?
この説明で問題が発生したとするなら、私が思うに社内でのチェック体制は何もできていないように思えて仕方が無い。というか、購買先を変更したという事に関して、変更管理が全くできていないのではないだろうか?
製品をメーカーとして発売する以上、購買先が変更になる可能性はどのメーカーにだってある。だから購買先を変更するなとは到底言えないし、変更するしかないのも理解するが、変更したならそれをちゃんと管理し、品質チェックをするのは、メーカーの責務である。
もし仕様が変更になるのであれば、確実な情報を前もって通達し、製品仕様の変更を明示すべきである。
残念だが、UPQはそうした事ができていなかった、という事だろう。何しろ、返品対応となったのが今回が初めてではないのだから。
今後、こうした事を再発させないよう、がんばってもらいたいところである。