クラウドファンディングサービスの老舗が日本でのサービスを開始する。
アイディアをカタチにする
SoftBankの孫正義氏が、SoftBankという会社を設立するにあたって、当時シャープの副社長だった佐々木正氏に面会し、自動翻訳機のアイディアを1億円で売った(正確には佐々木氏が買い上げたと言える)という話は有名だが、起業する上でこのアイディアを売っていくというのは、非常に大きな意味を持つ。
もちろん、孫正義氏のように完全に権利を売ってしまうというのも手ではあるが、それには当然だが買い上げてくれる人がいなければいけない。だが、このケースの最大の問題は、そうしたアイディアを買い上げてくれる人と出会うチャンスがあるかどうかである。
普通、ほとんどのケースではその出会いがなく、アイディアが埋もれたり、或いはアイディアが理解されないまま消えていったりするケースが多いのだが、それを情報拡散を使って上手く成立させられるようにしたのが、クラウドファンディングサービスであり、その老舗サービスがKickStarterである。
このKickStarterから生まれた製品は既に数多く、幅広い分野でKickStarterは活用されてきているが、唯一の問題は日本でのサービスがまだ開始されていなかったという事である。
もっとも、日本で利用できなかったかというとそうでもないのだが、利用するにはKickstarterが公式にサービスを展開している国の銀行口座などが必要だったり、出資者を募るにあたって言語的問題を抱えていたりと、意外と多くの壁が存在していた。
この度、KickStarterの公式Twitterでこのような発言がなされた。
Big news! Creators in Japan will be able to launch projects on Kickstarter this year: https://t.co/RrKup5ohGQ
お楽しみに! pic.twitter.com/TDRqXgne6P
— Kickstarter (@Kickstarter) May 17, 2017
いよいよ、年内にも国内サービスが開始されるというのである。
アイディアはあるが金がない…今後そういう起業家達の大きな助けになる可能性が大きく広がる事が予想される。
選択肢の広がった世の中の為に
最近、ベンチャーから立ち上がったモノづくり起業が増えていると言える。
最近よく聞く名前としては、バルミューダなどが代表になるかもしれないが、大手企業がターゲットにしないような隙間に向けた製品を企画・発売するケースもあれば、多数に売るのではなく、拘った高級志向に向けた製品だけを売るといった手法で話題になったりするケースもある。
私的には、こうした嗜好という名の選択肢が大きく広がった今の時代、大手企業が何故そこに突入しないのかの方が気になるのだが、今まで「右倣え」で同じものを買っていた顧客から、他人とは異なる製品が欲しいという要求に応えられるようなビジネスへと転換してきた世の中であるなら、それに合わせた商品開発は必須であり、大手がそれができないならベンチャーがそこに向かうのはある種当然である。しかしベンチャーには弱点があり、資金がない。資金がないから突貫できないという部分を補うサービスとして、こうしたクラウドファンディングサービスが勃興するのは、ある種必然であり、必要だったが故の流れではないかと思う。
時代は、そうした少数でも情報が拡散され大きく広がる利点を利用する時代になったという事だろう。
「こういうアイディアがあるのだが…」とか「こういう製品が欲しいから作るぞ」という人は、ぜひ挑戦してみては如何だろう?
そこから起業という選択肢が生まれるなら、貴方の未来は変えられるかもしれない。
え? 私?
まぁ、確かに私も元企画屋だから、面白いアイディアがないというわけではないのだが、人間、歳を重ねると以前できた事ができなくなるのも事実で、挑戦したい気持ちがないわけではないが、未来を築くのは若者であり、そういう人に期待したいところである。
…私も弱くなったな orz