3日連続Vega関係の話題。
需要がない?
昨日はVega56の話をしたが、今日はVega64の話。
AKIBA PC Hotlineに、秋葉原の店舗でのインタビュー記事が掲載されている。
AKIBA PC Hotline アキバ店員のPCパーツウォッチ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/shopwatch/1078304.html
これを見ると、Vega64は初動こそ問合せなど多かったものの、フリー在庫が出た際の反応が悪く、その後の問合せ等もあまりないという結果が多数の店舗で見て取れる。
確かに取扱いする店舗が限られていて、出回った数もそんなに多くはなかったのは事実だろうが、ソフマップ秋葉原リユース総合会館などでは、発売日当日に買い取りがあった等、いきなり手放す人がいるという情報もあり、世間の評判は想像以上に良くはなかった感じである。
ただ、リファレンスモデルは価格も高く、またベンダーオリジナルモデルよりは冷却ファンなどの性能も劣る為、本当に欲しい人が買い控えしているという可能性もある。
また、米国の価格と国内価格に納得できていない人は、個人輸入しているという可能性もある。
全体の装着率と完全に一致する話ではないので、一つの動向として考えるしかないのだが、それでも良い印象を受ける事はない結果である。
変化を待っているのか?
昨日のVega56は発売翌日に5,000円以上の値下がりを見せた。
Vega64に関してはまだそうした動きはないものの、可能性として価格が改定される可能性は当然ある。
NVIDIA製と同等性能を持ちながら消費電力で劣るという製品に対し、NVIDIA製と同額で発売すれば当然だがNVIDIA製を選ぶのが普通の人である。
そう考えれば、自ずと不人気になるのは当然で、AMD製一択という人でないかぎりは選択肢からVega64が消えるのは間違いない。
また、人によっては今回の第一世代のVega製品を回避した人もいるかもしれない。
来年になればもう少し内容を見直したVega世代の製品が登場する可能性もあるし、そうなれば消費電力が改善しているかもしれない。最近はアーキテクチャそのものの更新こそサイクルが遅くなる傾向だが、同アーキテクチャのマイナーチェンジは良く行われる為、そうした見直しのテコ入れを待っている人もいるかもしれない。
また、マイニングに注力している人からすれば、今回のVegaシリーズはとにかく消費電力で効率が悪すぎる。そうなれば、Polaris世代のRX 580/570をCrossFire Xで動作させる方が効率は上がるだろう。
とにかく、現時点のVega64では思ったほどの需要を生み出していないような感じが見て取れる。入手性で言えば有り難い話ではあるものの、今後の普及を考えるとあまり喜ばしい話ではない。
期待は9月末へ
個人的には、ベンダーオリジナルモデルが登場する時期となる9月末が、一つの山になると思っている。
もしここで不人気のまま終わるようであれば、Vega64は期待された結果を残せないGPUと世間では認定される事になるだろう。
Vegaシリーズの開発そのものは、今後のAPUへと繋がっていく技術なので止まる事はないはずだが、不人気と評価が下されれば製品としては次の製品を待つ事になってしまう。
Vegaシリーズは、考え方が従来とは異なる部分を持つGPUなので、動作するプログラムによって性能が変わる可能性があるだけに、AMDが今後どのようにして業界を抱き込んでいくかが問われる事にもなる。
よく考えると…AMDはそういうのばかりのような気がしないでもないな(-_-;)