昨日の話題の更なる話。
2つの段階
Coffee LakeのソケットはLGA1151という事は間違いないようだが、どうも利用できるチップセットにはいろいろ制限が出てきそうである。
あまりこういう話は聞かないのだが、それ故に複雑な話に聞こえる。
簡単に説明すると、2017年に登場するチップセット(Z370と呼ばれている)は、基本的に性能はZ270と変わらない感じで、Z270にCoffee Lakeをサポートするようにしただけという感じである。
そして本命と呼ばれるチップセットは2018年1~2月に登場し、こちらはCoffee LakeだけでなくCanon Lakeもサポートするチップセットとなるらしい。またこちらには新機能が加えられ、現時点ではZ380と呼ばれているらしい。
まだまだ噂の域を出ない話ではあるが、Intelが急ピッチにCoffee Lakeの出荷時期を早めたしわ寄せがチップセット関係に出てきたという感じである。
なので、Coffee Lakeをいち早く手に入れたい人は2017年中にZ370とも呼ばれるチップセットのマザーボードを購入するしかないが、半年程度で更なる機能を詰め込んだZ380と呼ばれるチップセットのマザーボードが登場し、本当の性能はその時に発揮されると考えた方が良さそうである。
前々から分かっていたら、2017年中にCoffee Lakeを購入する人がいなくなるんじゃないかと思うレベルの話である。
本命は結構な機能強化
その2018年に登場するという新チップセットは、結構な機能強化となるようだ。
まずオーディオ機能が強化される。
従来はデュアルコアだったDSPが、クアッドコアのオーディオDSPへと変化する。
またUSB 3.1 Gen2(10Gbps)に対応し、Intel Wireless-ACが内蔵され、SDXC 3.0 Controllerが内蔵される。
Thnderbolt3.0(Titan Ridge)/DisplayPort1.4にも対応するようになるので、チップセットだけでも相当なインターフェースを得る事が可能になる。
勘違いしてはいけないのは、通常ベンダーが発売するマザーボードにも上記機能は従来搭載されているが、それらはチップセットの機能ではなく、マザーボードベンダーが他メーカーのコントローラーチップを搭載して機能を実現している。これが直接的なコスト高に繋がるわけだが、Z380と呼ばれる(であろう)チップセットからは、インテルのチップセット側がこれらの機能を標準で持つという事である。チップセットそのものの単価が上がってくる可能性はあるが、全ての機能を別チップで提供するよりは安く搭載できるのではないかと考えられる。
これだけの機能強化がある事がわかっている段階で、果たして2017年中にCoffee Lakeに突貫する人はどれだけいるのだろうか?
まぁ、まさーボードだけ後から買い換えれば良い、という話でもあるが、昨今のマザーボードだって決して安いわけではない。無駄になる可能性の高いZ370(と呼ばれるであろう)チップセットを搭載したマザーボードを購入する人が一体どれだけいるのだろうか?
Intelとしては、Ryzenの追従を許したくなくてCoffee Lakeの投入を前倒しにしたのかもしれないが、周辺がそれに追いついていないようではこの前倒し自体が意味のあるものに見えない。
こうした融通の利かなさで、自作ユーザーがRyzenに流れる可能性があるという事をIntelはもっと理解した方が良い様に思う。まぁ、Intelもやりたくてこのような形にしたワケではないだろうが。
待つ側としては
今回、私は新PCへの更新はさらに時間をかけて待つ側になったワケだが、図らずともIntelの構成は待つのが基本になりそうである。
厳しいのは、この夏にPCを更新しようとしていた人たちであり、Ryzen7に突貫するか、それともIntelの新チップセットで6コアに突貫するかと迷っていた人がちょうどこの被害の中心にくると思われる。
正直、この夏にPCを更新するなら、もうRyzenに突貫した方がいいのではないかと思うのだが、周辺のプログラム関係はIntelコアに最適化されている関係から、全体のパフォーマンスを考えるとIntelコアを選択した方がいい、という結論に至る。
そうなると、この半年という期間は短いようで長い。じらされる感じをひたすら耐えるか、それとも待てずにマルチスレッド性能で押し切る覚悟でRyzenに突貫するかの選択をするしかない。
ただ、このように次はこういう性能が…という考えでいると、PC更新など出来ようはずもなく、Ryzenにしても次にはZen2仕様の話が控えているわけで、次から次へと性能は向上しタイミングは失われていく。
結局は欲しいと思うタイミングで乗り換えるしかないワケだが、迷うという事ができるようになったのは、偏にRyzenが登場したからであり、選択できる状態になったという事である。恵まれた環境になったにも関わらず、この迷いすら楽しめなくなったあたり、私自身に余裕がなくなったな、と実感したりするわけである。