電脳コイルのDVDが9月25日に発売開始になる。
記念すべき第一巻になるわけだが、最近のアニメDVDと同じく限定版と通常版が発売される。
普通、限定版というと特典物は通常版のモノにプラスして限定版オリジナルのモノが付属するワケだが、この電脳コイルはちょっと違う。
限定版は確かに絵コンテなどの資料も含めた豪華仕様だが、通常版には限定版には付属しないカードなどの特典が付く。
…これ、コレクター泣かせだという事を売り手は分からずにやってるんだろうか?
それともコレクターには限定版と通常版の両方買えという事を暗に言っているのだろうか?
限定版と通常版でパッケージイラストが違うという事はよくある話だが、特典物に全く重ならないものを付けるという手法は、ある意味邪道とも言えるやり方だ。ま、儲かるやり方ではあるのだが…
だが、こと電脳コイルに関しては価格にもその謎が潜んでいるのである。
電脳コイル限定版第一巻の定価は、税込6,510円。
対して通常版第一巻は、税込2,940円だ。
実に2倍以上の価格がついている。
収録されているものを比較すると、限定版に収録されている作品ディスクはサウンドが5.1chとステレオが収録されており、さらに特典ディスクが1枚追加されている。それにプラスして絵コンテなどが収録された380ページの資料が付いてくる。
対して通常版は、作品ディスク1枚(サウンドはステレオ)のみの構成で限定ストラップ(初回分のみ)とメタタグカードなる特典が付く。
この内容で倍以上の価格差をどう考えるか?
大きく違うところは、サウンドが5.1chに対応しているかどうかという部分と特典物だが…
まぁ、このあたりは個人の価値観によるところであり、納得できる人もいれば納得できない人もいるだろう。
だが問題は第二巻以降である。
第二巻からは収録話数が3話となり(第一巻は2話)、価格も上がってくる。
限定版は税込8,190円、通常版は税込3,990円となる。
収録されているものを比較すると、特典物に関しては第一巻とほぼ同じ差が付けられており、作品ディスクに関しても収録サウンドの違いは第一巻と同じ。だが、収録されている総時間は10分しか差がないのである。
それでいて価格差はやはり倍以上だ。
特典ディスクの意味がほとんどない状態と言えよう。
ここで考えたいのは、限定版のあり方である。
5.1chを収録したディスクとステレオのみのディスクを作り分ける意味が果たしてあるのか?という事だ。
たしかに本編ディスクに差を付けるという事は、限定版という重みに対して大きな差となるだろう。
だが、作り分けてこの価格差にするだけの意味があるのかどうか…。
さらに言うなら、5.1chでの再生環境を一般ユーザー層がどれだけ持っているのか?という事だ。
オタク層は確かに一般層からすれば5.1ch環境を持っている可能性はずっと高い。趣味にかける金額の差がここら辺にあると言える。
だが、限定版の価格がこうも高いと、オタク層でも一瞬躊躇するような気がしてならない。
実際の再生環境を考えると、限定版の意味が大きく問われる構成である。
正直、私としても電脳コイルのDVDは欲しいところではある。
だが、実際問題限定版に関しては手が出せない状態だ。
おそらく、そう遠くないウチにBlu-ray DiskなりHD DVDなりで再発売されるような気もする。
そうなると、まさしく限定版の意味が薄れてくる。
次世代DVDメディアで発売されるという確証はないが、可能性を否定できない以上、この限定版の価値はまさしくその意味を問われそうな感じがしてならない。
諸兄はこの限定版のあり方をどう考えるだろうか?
意味あるものと断言できようか?