私が初めてTVを使用したゲームを目にしたのは、実はぴゅー太だった。
ぴゅー太は正確にはTVゲーム機ではないが、TVに接続する事が可能なパソコン(しかも16bit機)であった。
それを友人宅で見て、私は大きな衝撃を受けた。
モニターの中にある仮想空間に自分の未来を見、その仮想空間の中に、世界の未来を見たのだ。
そして時は過ぎ、私の見た未来はそう大きく間違っていない世界になっていた。
今や映画の特撮もCGを普通に使う時代であり、パソコンはビジネス&ライフ(ライフは言い過ぎかもしれないが)で不可欠な存在になっている。
ぴゅー太を初めて見てから2年後、私はもう一つの未来のカタチを見た。
それがファミリーコンピュータ(現ファミコン)との出会いである。
残念ながら、その時も友人宅だった。
我が家にファミコンがやってきたのは、その1年後である。
ファミコンは言うまでもなく今のTVゲームの黎明期にあって最も輝かしい実績を持つコンシューマ機である。
それだけに発売されたソフトの数も半端ではない。
中には名作と今でも言われるソフトもあるが、時代の流れで今やファミコンの本体の方が入手難となってしまっている。
それだけに、エミュレータという手段を使っている人も少なくはない。
だが、エミュレータを通すとなると、ソフトのデータを吸い出したりする必要がある。
その作業は面倒極まりなく、間違ってそのデータが流出してしまえば、それは立派な犯罪の仲間入りとなる。
できればカセットのまま使いたい…
その夢のような願望が、実はもう現実のものとなっているのだが、もう一つのカタチが2008年1月2日に現実のものとなる。
なんと、ファミコンソフトをカセットのままモバイルできるのである。
前述したように、ファミコンカセットをそのままロードできるファミコン本体のレプリカは存在する。
サイバーガジェットから“ファミレータ”として発売されているものがそうだ。
だが、これは従来機と同じように据置機でしかない。
しかしファミレータLiteはNDSに接続して使用するため、外で使えてしまうのである。
電源は単3乾電池4本が必要だが、SANYOのeneloopでも使っておけばいいだろう。
省エネにもなるし。
モバイルでファミコン…まさに夢のようなデバイスである。
だが、こんなファミレータLiteにも一つ弱点がある。
それは2人用ソフトを2人で遊べないという事。
こればっかりは据置機のファミレータに譲る部分である。
しかし、そもそもモバイルタイプで複数人というのは特殊と言えば特殊。
最近は無線LANでパーティプレイなんてのも珍しくはないが、ファミコン時代ではあり得ない話であるから、コレはコレでいいのかもしれない。
何はともあれ、ファミコンカセットを未だに持ち続け、名作を遊びたくて仕方のないという人には朗報と言える。
ファミレータとファミレータLiteは、そんな人たちの福音となるだろう。