Penrynの深夜販売で何かと騒がしいアキバだが、今週、私の気になるアイテムが発売となった。
それがMSIから発売されたDisplayPort搭載GeForce 8800 GTビデオカードである。
DisplayPortとは、一口で言えばHDMIに対抗する、モニタとPCの接続規格の事であり、HDMIと同じく著作権保護機能に対応し音声も伝達できる規格。
じゃあ、単純に考えて同じものなのか?というと、そこはBlu-ray DiskとHD DVDと同じくらい中身が違っている。
HDMIは先行して登場しているだけに最近ではかなり耳にするようになり、PS3や新型のXbox360にも搭載され、家電のHDDレコーダなどにも実装されているという実績を持つ。
後追いのDisplayPortは、どのようにしてこれを追撃するのか。
そもそも、HDMIとDisplayPortでは、根本的に規格が違う。
HDMIは、元々ラスタースキャンを行なうCRT向けに作られた規格であり、RGB(三原色)とクロックをそれぞれ別々の信号で流す仕様だ。
これに対してDisplayPortは、液晶向けに開発されている関係から、画素と音声信号をマイクロパケットと呼ばれるパケットにまとめて送信する仕組みになっている。
つまり簡単に言うと、HDMIがSビデオ信号の置き換えなのに対し、DisplayPortはPCでよく使われるDVIやVGAの置き換え、と言うことになる。
だからDisplayPortを搭載した家電製品が出てくるか?というとちょっと微妙かもしれないが、少なくともPC用ビデオカードなどのパーツ類や液晶モニタなどでHDMIより速く浸透する可能性がある。
現在、HDMI端子搭載のビデオカードもだんだん増えてきてはいるが、その搭載率はかなり低い。
それはHDMI入力に対応したPC用液晶モニタがそんなにないという事もあるが、プログレッシブで表示するのが普通のPCモニタという事を考えると、何となくそれは当たり前の結果のような気がする。
こういう統一規格というのはなかなか策定されないという印象があるが、このDisplayPortも同じ。
それだけになかなか普及してこないとは思うが、個人的にはPC向けであるならHDMIよりDisplayPortかな?と思っている。
EIZOから対応モニタが出るのはいつぐらいなんだろうか?
ちと気になる話ではある。