PS3の初期モデル(20GB&60GB HDD搭載機)が今月を最後に販売を終了する事が決定した。
この初期モデルはPS2互換機能を持っているが、現在の40GBモデルにはPS2互換機能は搭載されていない。
もそもそPSシリーズは後方互換機能が一つのウリになっていたのだが、PS2機能を切り捨てる方針に出たのは、偏にゲーム開発会社にPS3ソフトの開発を促す方向性みたいなものからきているのかもしれない。
だが、この初期モデルが姿を消す事の意味は、実は家電的な見地からするといささか悲しい出来事でもある。
というのは、初期型にあって現在の普及機にはない機能があるからだ。
それがSACDの再生機能である。
Super Audio CDと呼ばれる、CDよりもより高音質なフォーマットは、専用プレーヤーも最低でも15万円くらいが普通だが、PS3はそれをソフトウェアで実現できる性能があったため、再生機能が初期型に限って搭載されている。
impress PC Watch
PS3をメディアプレーヤーとして使う人のためのTips
“忘れ去られたプロジェクト”が生み出した大いなる成果
上記リンクは初期型PS3が発売されて間もない頃の記事だが、PS3がSACDの再生が可能な理由・しくみなどが掲載されている。
実際問題、SACDの再生というのはソフトウェアではほぼ不可能と言われていたのだが、PS3のCellはそれを可能にするだけの性能を持っていた。
この機能は私の視点から見るとPS3の大きなメリットと思っていたのだが、残念なことに普及機の40GBモデルでは未搭載となってしまった。
つまり、この機能だけでも20GB・60GBモデルの意味が大きいと私は思っている。
正直、PS3のPS2互換機能というのはあまり大きな意味を持たない。
PS2がこれだけ普及すると、それを持たない人がPS3を購入するというケースは極端に少ないと思って間違いない。
だが、機能的メリットであったSACD再生は、PS3固有の特徴であったわけだから、それらはやはり普及機に残しておいて欲しかった。
Xbox360がユーザーの要望でBlu-ray Diskをサポートするかもしれないという話があるだけに、PS3ならではの機能はやはり欲しいところである。
とりあえず、PS2互換機能とSACD再生機能がPS3から失われる。
もし、それらの機能が欲しいという場合は…今のウチに手を打っておくべきだろう。