年末でもないし新年でもないこの時期にこんな話をするのも何だが、あの年賀状で威力を発揮したプリントゴッコが6月いっぱいで本体の販売を終了する事になった。
プリントゴッコを知らない世代も…多分もういるんじゃないかと思うが、今ほどカラープリンタが当たり前でなかった時代、年賀状作成といえばプリントゴッコというぐらい、メジャーな商品だった。
カラープリンタが今ぐらいメジャーになった最大の要因は、カラーインクジェットプリンタが登場したからだ。
何しろその前まではインクリボン式のカラープリンタで、CMYK(C…シアン、M…マゼンタ、Y…イエロー、K…ブラック)の4版をプリントする関係上、1枚の紙を4回プリンタに通さないといけないという問題があった。
ただ、インクリボン印刷は金色や銀色のプリントが可能だったり、インクジェット印刷より光や水に強いという特性もあり、実に綺麗な印刷が出来たのも事実。
最後までインクリボン式の民生用カラープリンタを発売していたメーカーはアルプス電気というメーカー(多分間違いない)で、MD-4000Sは600dpiのスキャナも内蔵した名機中の名機であった。
しかし、CannonやEPSONから安価で綺麗なカラーインクジェット(Cannonはバブルジェットと命名している)プリンタがどんどんと発売されると、次第に各家庭にカラーインクジェットプリンタが普及し、それと同時に年賀状作成もプリントゴッコを使う事がなくなっていったと思われる。
それでもプリントゴッコは革命的な家庭印刷機だったと私は思う。
印刷は印刷でも版画に近いもの(いや、そのものか…)ではあったが、自分で書いた(描いた)版下のラインを強烈な光で焼き、その上にインクを載せて量産するそのスタイルは、印刷というものがどんな感覚のものなのかを私に教えてくれた。
思えば、DTPや印刷に興味を持ちだした最初のきっかけは、まさにプリントゴッコだったように思う。
さらば、プリントゴッコ。
現代印刷の民生化を推進した名機に乾杯。
2008/05/31 • 2コメント
プリントゴッコは使ったことなかったが
生産終了ですか~。
終わると言えばポラロイドも夏ごろを目処に終了だそうですね
http://www.polaroid.co.jp/support/important.html
ポラロイドもオイラは使ったこと無かったですけどね…。
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ポラロイドとプリントゴッコは似て非なる幕引きかと。
というのは、ポラロイドは完全に消耗品が販売終了になるのに対し、プリントゴッコは本体のみ販売終了で消耗品は引き続き販売継続。
この差は大きい。
ちなみにプリントゴッコは消耗品がメーカーから発売されなくなっても、何とか市販品の同等電球と自作の版下シートで使い続けられそうな感じがする。
ポラロイドのフィルムは…さすがに自作できる人はそうそういないような気がする。
デジカメ全盛の今、銀塩というだけでも苦しい立場なだけにポラロイドは今まで継続できてた事の方がスゴイと思うよ…
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