6月14日、東京大学駒場キャンパスにてちょっと変わったディスカッション企画が行われた。
2部に分かれていて、前半はアニメーション監督・原作者の富野由悠季氏と東京大学工学部教授のディスカッションで、後半は東京大学卒業生で実業界で活躍している三洋の田端輝夫氏と東洋エンジニアリングの内田正行氏が加わってのディスカッションという内容である。
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「地球を使いこなすセンス」が求められる工学
上記の記事を見てもらえばその内容がよく分かるのだが、まぁ頭のイイ人達の考え方もそんなに驚くほど頭のイイ事ばかりじゃないんだなと、私は失礼ながらそう思った。
というか、それはディスカッションの話に出ている考え方が私の考えとそう違わない事に起因する。私程度が考えている事と変わらないのだから、頭がイイ話とは考えにくいと思ったワケである。
だからちょっと考えれば同じような思想というか思考に届いてしまうような気がしてならないのである。
というか、視点をもっと広範囲に持つ思考や思想というのは、案外難しいという事なんだろうか?
このディスカッションの中で私が面白いなと思ったのは、スペースコロニーを富野監督が否定し工学者が肯定するという、本来とは逆の立場になった事である。
なぜ逆の立場になったのかと考えると、富野監督が生み出してきた作品を見て育った工学者が、富野作品から夢を得て工学者になったという流れがあるからだろうと私は考える。つまり、作品を作り続けている富野監督からすると、現実を即した環境を考えると自らが作り出した作品がきわめて非現実的なモノに見えてきたんだろうし、逆にその作品から夢を得た人たちからは、何とかそれを現実のモノにしてやろうという思いが強いのではないか、と。
考えてみれば、HONDAのASIMOは鉄腕アトムを現実化するというコンセプトから生まれているワケであり、日本の工学技術は空想世界を扱ってきたアニメーション作品が母体である事は疑いのない真実なのかもしれない。
という事は、子供向けのアニメーション作品は、その子供達にとって相当にリアリティを持った夢を提供するモノでなければならない。
今、テレビで放映されているアニメーションは、果たして子供達の未来に向けた発信が成されているだろうか?
今回のディスカッションに、士郎正宗氏が加わっていたら、話はもっと複雑怪奇なものになっていたかもしれない。
イヤ、そもそも士郎正宗氏は工学分野とは別なのかもしれないが。
でも、富野監督と士郎正宗氏のディスカッションは、ちょっと聞いてみたい気がする。
外的なものから人のフューチャーを描く富野監督と、人の内部にフォーカスしそれが外的にどう影響するかを描く士郎正宗氏が、互いの思いをぶつけたら…話は多分エンドレス(爆)
でもそこから生み出される新しい世界を私は見てみたい。
…多分実現しないだろうがw
富野監督と士郎正宗のコラボが実現したら…
電脳化して並列化した兵士がMSに乗って戦う世界にw
指揮官機の指示が正確に通達されて機械的に動く軍隊が出来上がるんだろな。
で、撃ち合いよりハッキングする電子戦がメインになるに違いない。
…絶対実現しないだろうけどw
士郎さんは電脳やサイボーグと言った技術が発達して、機械と人間の境が曖昧になりつつある世界を。対して富野監督はニュータイプと言う超人類がいるものの、機械と人間の間には明確な境がある世界を描いていると言うのは、同じSFでもアプローチが違って面白いね。
…もっとも、後者はヒロイックサーガに近くなってる感が強いけど…(^_^;)
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富野監督と士郎正宗のコラボ…ではなく、ディスカッションという話だったんだが…w
コラボはまぁ…実現する事はあり得ないと思うな。
両者のテーマに交差する部分が全くといっていいほどないと思うし。
それにもし両者のテーマを再現してしまったとしたならば、それは物語として見せたい方向性が打ち消されて見えてこなくなると思う。
そういう意味では神山監督と士郎正宗氏の組み合わせというのは絶妙だったのかもしれない。
神山監督の師匠である押井監督よりも、より絶妙な組み合わせだったがゆえに、攻殻機動隊SACは名作になったんだと思う。
ま、組み合わせる属性の向き不向きってヤツですな。
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