Lenovoが2009 International CESで発表するとされる“Lenovo ThinkPad W700ds”は、ディスプレイを2つ搭載するらしい。
何でも17インチのメインディスプレイの内側に10.6インチディスプレイを格納する機構が組み込まれているとかで、サブディスプレイをスライドさせて展開するようだ。
このW700dsを説明するためには、まずW700を説明しなければならない。
W700はいわゆるモバイルワークステーションという位置づけのノートPCで、ハイエンドな部類に入る。
最上位機種は搭載しているCPUもCore 2 Extreme QX9300とモバイルクァッドコアで、GPUもQuadro FX 3700Mが組み込まれている。
Quadroという時点で一般向けとは言いにくい製品であることはわかるが、それ以外でも搭載しているデバイスにも特徴がある。
パッドタイプのデジタイザをトラックパッド右に搭載していて(最上位のみ)、さらには色調整機能も搭載されているという、大凡ハイエンドグラフィック分野で使用しても問題がない機能が満載である。
もっとも、価格も70万円超と一般でない価格が付いているのだが…。
で、W700dsはそのW700をデュアルデスプレイにした製品なのである。
このW700dsだが、私からするとワークステーションまでモバイル化しなくてもいいのに…と思ったりする。
もともとフルスペックノートPCはデスクトップリプレースメント(デスクトップPCからノートPCにすることでデスクの上をスッキリさせるという意味)という側面が強い。だが、ここ最近のデスクトップPCはかなり小さく作られるようになり、またノートPCのパーツでより小型なタイプが作られるようになり、そもそもデスクトップリプレースメントという需要が無くなってしまっている。
必要であれば小さいデスクトップPCの本体を足下などに置いてモニタとキーボードとマスウだけを机上に出すという方法もある。
ハイエンド仕様であっても、小さくまとめる事はできるはずで、それをわざわざノートPCにする必要性が今は薄いと思う。
しかしLenovoはこのモバイルワークステーションという分野を「1年間で24万台から25万台出荷されており、そのうちの2割がモバイルワークステーションで占めている。このシフトは近年加速している」と分析しているようで、世界的には需要のある分野だとしているようだ。
日本のノートPCという位置づけと世界的な位置づけが微妙に異なるのかもしれない。
私からすると、ノートPCは何と言ってもキーボードが使いにくく、そのほかのインターフェース類にも制限が多いため、業務的にメインとして使うという事がイヤな部類なのだが、世界の人々はそうでもないらしい。
ただ、個人的にこのノートPCのデュアルディスプレイという環境は何か惹かれるものがある。
一般向けに普及してくると面白い展開があるのではないかと思うが、日本メーカーでこういう事をしてくるところが出てこないだろうか。
まぁ、買えないとは思うが、マンネリ化したノートPC市場に一石を投じる事はできるのではないかと思う。