つい先日までは単体で2TBのHDDを購入しようとすればWestern Digital製しか選ぶ事ができなかった。
GB単位の価格は15円弱。
1TB HDDの1GB単価は7円半ばを既に下回っている事を考えると、その倍の価格である。
それは他にライバルがいないから…とも言えるワケで、1TB HDDの価格が急降下した理由は技術の進歩とライバルの存在にある。
そして今週、ついに2TBもWestern Digital以外から発売されるに至った。
これは、新たに2TB HDDの価格競争が始まるキッカケになるのではないかと思われる。
事実、1.5TBはじわじわと価格が下がり始めた。
平均的に10,000円を下回るようになり、台数限定の特価品であれば9,000円を下回るケースも見られ始めた。
1GB単価で言えば、7円台~9円台となる。
この流れから言えば、2TB HDDも自ずとその流れに流れていくのではないかと思っている。
今回発売された新たな2TB HDDはSeagate製。
Barracuda LPシリーズの2TB品となるもので型番はST3200542ASとなる。
データスペックは回転数が5,900rpm、ディスク枚数4枚、バッファ容量32MBとなる。回転数がWestern Digital製の5,400rpmから比べて500rpm多いのは、消費電力を押さえつつ性能を維持するためらしい。
要するにWestern Digital製から比べて高速に動作する…という事を言いたいのではないかと思われる。
どちらにしても7,200rpmから比べれば発熱は小さい事に違いはない。
価格についてはWestern Digital製と現状は変わらない。
しかし、ライバルが登場した事で全体的に少しずつ下がっていくのではないかと考えられる。
前述した通り、1.5TB品が徐々に値下がりしてきているのは、偏にこの2TB品の影響と言える。
相乗効果で全体的なGB単価が下がる…そんな気がしてならない。
HDDの価格が下がり続けている原因はもっと別のところに原因があるとも考えられる。
最近はSSDの価格も随分と下がってきており、その容量も次第に大きくなってきている。
まだまだ単価的には安いとは言えないが、OSを入れた起動ディスクとして使用するには32GBもあれば十分であり、32GBであれば1万円ちょっとくらいで既に買えてしまう。
大容量化に関しては256GB品が現れ始めているし、おそらくそれらも徐々にではあるが価格は下がっていくだろう。
HDDとSSDの速度差は比較せずとも分かるだろう。SSDはその信頼性もHDDのソレに近づきつつある(技術的には同等以上とも言われている)。
そうなるとHDDはこの先コストと容量で勝負していくしかない。
総合的に考えれば、2TB品が値下がりしていくのはライバルが現れた時点でもう進むべき道という事を意味しているように思えてならない。
消費者サイドからすればありがたい話だが、業界全体としては微妙な状態と言える。
モノが売れない時代であるため、あまりに売れなければメーカーが先に悲鳴を上げる事になる。
一部のHDDメーカーは事業を他社に売却したり…なんて事はここ数年でいろいろ起きている。
競争あっての技術革新とコストダウンだが、その競争そのものが行われない時代が近づいている。もっとも避けたい事実ではあるが。
何はともあれ、可能なコストダウンで2TBが安くなるのであれば歓迎。
あとは、メーカーがつぶれなければ問題はないだろう。