今日、日本でも午前11時前後あたりで46年ぶりとなる皆既日食が観測された。
残念ながらもっとも観測できるとしていたトカラ列島の悪石島は雨模様。
滅多に観られるモノではないのだが、大自然には逆らえない。
この写真は7月22日午前10時59分に鹿児島県喜界島で撮影されたもの。
このような綺麗なダイヤモンドリングが本来なら観測できたハズだが、悪石島の方々は運が悪かったとしか言いようがない。
この皆既日食だが、まだ現代のような近代天文学が確立する前は縁起の悪いモノとして考えられていた。
神の恵みである太陽が消え、一瞬にして闇の世界が訪れるため、迷信深い昔の人は日食を「悪魔が降臨する瞬間」と捉えていたようである。
たしかに、日中であるはずの時間に闇が訪れるのだから、縁起が悪いような気がするのは納得できる。
ノストラダムスの大予言も、大々的な日食の事を指しているのではないか? と昔、私も思ったものだが(もちろん何の根拠もない)、そもそも日食を英語で書くと“solar eclipse”となるが、その中の“eclipse”という言葉には「〈幸福などに〉暗い影を落とす; 〈…の〉光を奪う」という意味がある。
また、日本語では日食といつも書いているが(私も書いている)、元々は“日蝕”と記載する。日を蝕むという意味を考えると、やはりあまり良い感じの事ではないというイメージが昔からあったという事ではないかと思う。
さすがに現代では日食の原理が判明しているため、不吉な事と考える人はいないだろうが、大自然の神秘である事に違いはない。
皆既日食は地球からみた月の大きさが完全に太陽よりも大きく見える時に起きる現象で、太陽が大きい場合は金環日食(あるいは金環食という)となり、これらは共に楕円である月の地球周回軌道と地球の公転軌道によって起きる視直径の変化で発生する。だからそうそう起きるものではないのである。
次に日本で皆既日食が観測できるのは2035年9月2日で、北陸から北関東を結ぶ一帯で観る事ができる。
金環食であれば、2012年5月21日に、再びトカラ列島など広い地域で観測できるようだが、皆既日食はさすがに中々観測できるものではない。
それだけに、今回の天気の悪さは悔やまれる。
最後にもうひとつ。
こういうイベントが起きる事で、子供達の科学に対する興味が向上すると、子供の学力低下に歯止めをかけられるのではないかとちょっと思ったりする。
教科書の事ばかり勉強して実際に何が起きるのかという実権や観測をしない現代の教育は、たしかに面白みに欠ける。こういうチャンスをもっと活かしてくれるといいのに…とちょっと思ったのはココだけの話である。