IntelがCore i7/i5の新製品を発表した。
いわゆるCore2 DuoおよびCore 2 Quadに置き換わるメインストリーム向けのCPUで、先行して発売していたCore i7(ソケットがLGA1366)のものとは異なる新製品群である。
今回の新型Core i7/i5が使用しているソケットはLGA1156というもので、先行版Core i7のLGA1366とはダイの形状もピン数も異なる。
Core2シリーズのLGA775とピンの根本形状が違い、丸くないのはLGA1366と同じ。これは異形円を採用する事でピンを密集させる為である。
ただ見た目に形状が異なるだけでなく、この新型Core i7/i5は中身についても多少違う製品である。
同じCore i7の名称であるLGA1366版Core i7と中身まで違うのに同じCore i7という名前がつけられた新型だが、複雑なラインナップにしたのはどういった理由なのだろうか?
先行版LGA1366のCore i7と何が違うかというと、まずメモリコントローラーが内蔵された事は同じだが、そのチャネル数が異なる。
先行版は3チャネルだが、新型は2チャネルであり、メモリ帯域速度が異なる。当然3チャネルの方が速いのだが、3チャネルという事は3枚単位でメモリを搭載しないと機能しないという事。2チャネルになった事で、より導入しやすいといったメリットがある。
また、チップセットインターフェースも先行版と新型版では異なる。
先行版はQPIという仕様だが、新型版はDMIという仕様になった。詳しい機能については専門サイトに譲るが、大きな違いはDMIはチップセット側にPCI Expressインターフェースを持たないという事。
つまり、CPUコア側にPCI Expressインターフェースを持っているという事。これにより、従来2チップだったマザーボードチップセットが1チップに集約されている。総合的な省電力化が可能となり、よりエコになったと言うべきだろう。
基本的に新型版は先行版の下位に位置づけられるが、今回のCore i7シリーズはTurbo Boostという機能により、使用コア数が少ない時はクロックアップして動作する為、状況によっては新型版が先行版を上回る性能を示す場合がある。
それでいてTDPが130wから95wに落とされているため、実際はより使いやすいCPUが投入されたと考えるべきだろう。
そろそろWindows7の発売であり、PC全体の底上げが必要な人は、この新CPUに挑戦するのもアリではないかと思う。
もっとも、アンチIntelならば、AMDのPhenomⅡ X4に向かうという手もあるだろうが、そのあたりは好みの問題。
どちらもWindows7時代をリードするCPUであるため、替え時は今なのではないかと思う。
…もちろん、私もその中の一人だとは思うが。