去年のいつだったか、気になるMMORPGという事で“Blade&Soul”というタイトルをBlogに書いたことがある。
当時はそのプロモーションビデオの動きを見て、MMORPGで再現できたら凄いと思っていたレベルだったのだが、実際にその姿が見え始めてきた。
結論からいうと、これまたよく動く…という事。
これがもし本当にオンライン上で動いたとするならば、プレイする人を選んでしまうのではないかと言うくらいアクション色が強い。
世界観としては東北アジアの文化をいろいろ取り混ぜたもので、中国、韓国、日本、インドなどの文化色が強い。
なのでアクションは西洋アクションのような剣と盾を使うものでなく、剣戟、打撃、氣功による連続アクションが主体。昔のジャッキーチェンの香港映画みたいなノリと考えればわかりやすいか。
で、このタイトルを見て分かるとおり、血の表現があからさまに出ている。
要するに欧米ではX指定、最低でもR指定になるだろうタイトルである。
実際のそのアクションは動画を見ればすぐにわかる。
Blade&Soulに用意されたキャラクター種族は全部で4つ。
ジン、ゴン、クン、リンといった4つの種族で、ジンはいわゆる標準的人間的スタイルでオールラウンダー、ゴンはゴツイ体躯と強力なパワーを持った有角人種、クンは特殊で女性型しか存在しない種族で、リンは召喚術を使う小動物系種族という内訳。
この種族に組み合わされるのがブレードマスター(剣士)、カンフーマスター(拳士)、フォースマスター(気功士(氣功師))、デストロイヤー(力士)の4つの職業(クラス)で、種族によって選択できないクラスも存在する。
多分、クラスに関してはまだ他も存在していると思われるが、個人的にとても楽しみなのがブレードマスター。名前の通り剣戟を主体としたクラスなのだが、複数の剣を扱うのが特徴。つまり、手に持った剣だけでないアクションが用意されている。
他にもフォースマスターは「どうみてもドラ○ン○ールの元○玉だろ?」みたいな技を使ったり、どうみても「カ○ハ○波?」みたいな技を使ったりする。まぁ氣功ベースなんだから当たり前だが。
とかく動きばかりが気になる作品ではあるものの、ゲームシステムも気になる所。
このような格闘アクションがベースだとPvPが主体と思われがちだが、実際はそうでもない様子。
派閥というものが存在し、各キャラクターはその派閥に所属し、派閥間抗争を繰り返す…ヤクザかよ(爆)
他にも釣りなども実装されている事から、多分ではあるがクラフト関係のシステムもありそうな感じ。そう考えると派手なアクションを実装していても、基本はよく知るMMORPGに近いのかもしれない。
提供時期が2010年中にクローズドβテスト開始というから、FinalFantasy14よりも後発になるかもしれないため、それよりもさらに上回る魅力を実装しなければならない事は、Blade&Soulにとって厳しい現実かもしれない。
ただ、動画を見ればわかると思うがとにかく動く。
おそらくFinalFantasy14はMMORPGといっても基本はコマンド選択型になるだろうから、その違いで差を付けることは可能だと思う。
私的にイチオシMMORPGではあるが、こういったタイトルが日本発でない事が残念でならない。
日本のゲーム市場は、最近とくに海外向けでないような気がしてならない。
オンラインがこれだけ幅広く展開されているのに、展開されているゲームの殆どがアドホックモードによる通信機能ばかりがクローズアップされている。
たしかに目の前に見えている人たちとワイワイ楽しむというスタイルも悪くはないが、通信の醍醐味は完全なインフラストラクチャーにあると思う。
インフラストラクチャー型が海外向けという意味ではないが、ワールドワイドで楽しむスタイル…とまでいかなくても、せめてローカライズされた全域でのネットワークプレイができるスタイルがあまり注視されていない事が、MMORPGにとっての壁になっているような気がしてならない。
おそらく、こうした事情はMMORPGの開発費にも問題があるのかもしれない。
しかしFinalFantasy14が登場しても、その開発制作費は参考にならない。というか、FinalFantasy14の開発費を参考にしてしまうと基本的にMMORPGの開発ができなくなる。
もっと小規模でも開発可能な環境をいち早く構築しないと、本格的に海外勢に負けてしまうという危機感を、大手開発メーカーはもっと自覚すべきだ。
ま、こんな所で私が叫んでいても意味はないのかもしれないが、自分がプロデュースする立場だったら、この状況を相当に危機と感じるところなのだが。
何はともあれ、Blade&Soulが登場したとき、日本の開発はそれを脅威と感じる事になるかもしれない。
それほどのゲームになる事を期待しつつ、完成を待ちたい。