今年の夏、お台場で公開された実物大ガンダム立像が、JR東静岡駅前に移設される事が決まった。
静岡と言えば、ガンダムファンにはおなじみのガンダム工場…もといガンプラ工場があるわけで、今回の移設の話も静岡市がバンダイナムコホールディングスに掛け合い実現したもの。
このJR東静岡駅前に移設されると、東海道新幹線の車窓から立像が見える事になり、また話題になりそうな感じである。
この駅前での展示は平成22年7月~23年5月までで、その後は各県を転々とするようだが、最終的にはまたバンダイホビーセンターに戻ってくるようだ。
写真はお台場で行われたオープニングセレモニーである。
ガンダムという作品は今年で30周年を迎えたわけだが、アニメが公開された時には今のような展開になるだろう事を予測できた人はいないだろうと思う。
当時、ロボットアニメといえば豪快で派手、そして作風も勧善懲悪が主であったが、ガンダムはそれらを根底から覆した…と言われているが、それでもスーパーロボット的な部分が全くなかったワケではない。
しかし、それが年月を経て気がつけばあたかも現実にあり得そうな世界設定が次々と作られ、その世界設定を元にサイドストーリーが構築されただけでなく、また新たな設定が生み出されるという事を繰り返してきた。
宇宙世紀という年表の濃さは、既に現実の史実と同じほどの厚みを持ち始めている。こんな作品は滅多にないと言えるだろう。
こんな事をふと考えたのは、つい先日、ふとした事から現在連載されている「ガンダム・オリジン」を読んだからだ。
現在20巻まで発売されている…と思うが、20巻ではソロモン編の後編が展開しているハズだ。
私は19巻まで読んでいるが、これを最初から読んでいくと、後付けではあるものの、その世界観の厚みに圧倒されそうになる。
登場するMS(モビルスーツ)という兵器が兵器として成り立つまでの話なども、アニメ版では語られることはあまりないが、ガンダム・オリジンはそのあたりまで突っ込んで描いている。いろいろな媒体で発売されるムックなどでは語られ尽くした話かもしれないが、物語の中で実際に展開しているのは多分オリジンだけではないかと思う。
こうしたガンダムワールドはまさに仮想現実と呼べるほどの厚みを既に持っていると思うが、この世界設定を使ってオンラインゲームに展開しようとしたのが、今はなき“Universal Century”だが、あの作品は世に出てくるのが早すぎたと思う。
私が前々職の時に抱いていた野望をそのまま形にした作品ではあったが、展開の甘さというか諸問題で結局終局を迎えてしまった。
今ならPS3などで再構築できるのではないかと思ったりもするが、よくよく考えるとPlayStation Homeに似た世界でガンダムの世界を構築すればいいワケで、今なら確実に出来るのではないかと思ったりする。
再燃する事を期待。
何はともあれ、30年もかけて作り続けられた世界構築は実物大というスケールの登場によってリアルとアンリアルの境目にようやく到達したのではないかと思う。
これから先、アンリアルがリアルを超えるのかどうかはわからないが、この立像から新たな展開が生まれる事を期待して、新たな実物大ガンダムの就職を祝いたいと思う。