イースというゲームを初めてプレイしてから何年が過ぎただろうか。
PC-8801mkIISR用として初めて世に出てからもう25年近く経つのではないかと思うが、その時代の中ではイースというRPGは革新的なゲームだったに違いない。
だが、一番インパクトがあったのは、たぶんPCエンジン版のイースI&IIだろうと思う。
初めてCD-ROMで登場したイースは、派手なオープニングアニメと普通の音楽CD並のBGM、そしてキャラクターにボイスがついたという点で、従来作品と全く異なるゲームだったと言える。
その後、ちょっと衝撃を受けたのがX68000版であり、こちらは電波新聞社から発売されていた。
PCエンジン版のような一般受けする雰囲気とはまた異なり、地味にすごい技術を散りばめ、見た目に綺麗な作品にしあがっていた(但し、イースIのみだったが)。
ここまで読んで「あれ?」と思った人は、たぶんゲーム慣れしていない人だと思う。
そう、イースというゲームは、その第一作目からして、いくつものプラットフォームで発売された、ある意味長寿ゲームであり、シリーズ通して移植されつづけてきたゲームである。
だから、オリジナルの話をすると、えらい昔の話になってしまうのである。
ドラクエやファイナルファンタジーも同じような感じだが、イースはそれを上回るプラットフォームへの展開なのである。
そして2010年4月22日に発売されるPSP版イース~フェルガナの誓い~は、イースシリーズ第三作目である“ワンダラーズフロムイース”のリメイク作品である。
この音楽を聞くと、どこか懐かしい感じがするのは、たぶん私だけではないはずだ。
今回発売されるPSP版の前身に、Windows版とケータイ版が存在している。
もちろん、それはフェルガナの誓いというサブタイトルのものである。
オリジナルのワンダラーズフロムイースはPC-8801mkIISRを起点に、X68000版まで発売されているが、今回のPSP版には、そのオリジナルであるPC-8801mkIISR版とX68000版、そしてWindows版のBGMが収録されており、選ぶことができるようになっている。
正直、PC-8801mkIISR版の音楽は今聞くととてもショボイものだとは思うが、当時はそれでもすごいBGMと言えた。この頃のファルコムは飛ぶ鳥を落とす勢いのあるゲームメーカーで、ファルコムのゲームBGMを超えるというのは、ある種不可能なのではないか? と思ってしまうほどのものであった。
それを今風にアレンジしたものが、フェルガナの誓いであり、それはBGMだけでなく、ゲームの中身においてもそうである。
当時のアクションゲームとしては良く出来ていたワンダラーズフロムイースだが、フェルガナの誓いではそれらのアクションを遥かに凌駕したアクションが実装され、コンシューマアクションをやりこんだ人でも楽しめるのではないかと思う。
今回のPSP版は、さらに演出の強化が図られていて、時折カットインが挿入されるなどの改良が行われている。また、イベントシーンではフルボイスとなっていて、紙芝居的イベントではないものに置き換えられているのもポイントが高い。
個人的にファルコムのゲームは飽きた感じがあるのだが、このゲームだけは別格。
イースシリーズとしてはI&IIが好きな私だが、純粋にゲームとしてだけ見れば、ワンダラーズフロムイースもといフェルガナの誓いは名作だと思っている。
まぁ、こんな言葉をただ並べたところで、フェルガナの誓いの面白さは伝わらない。
とりあえず動画でも見て、イースを知らない人はその世界観を見て欲しいと思う。世界観を知っている人は、その洗練されたアクションシーンを見て欲しい。
たぶん、言葉ではない何かが伝わるんじゃないかと思う。