PSP用ソフト“メタルギアソリッドピースウォーカー(以下MGS PW)”をちまちまとプレイ中。
スニーキングミッションのゲームとしては古くからあるシリーズだが、PSPという携帯機でのプレイは、今までとは全く違ったプレイ感覚と結果をもたらしてくれる。
人気ソフトなだけに、私などがその内容や傾向を記事にする必要もないタイトルだが、私の視点から見たメタルギアソリッドピースウォーカーをちょっと書いてみたい。
まず、これがPSPでプレイできるという事の凄さを素直に認めたいと思う。
確かにPSPはPSより性能は上ではあるが、PS時代のメタルギアソリッドより数段上の表現力と複雑な操作を体系的にまとめ上げ、洗練された操作方法と表現を組み入れた今作は、間違いなく今年上半期の最高傑作だと思う。
そして携帯機という特徴を生かしたシステムによって、対戦や協力プレイを可能にしたところも今までのメタルギアソリッドシリーズと違う部分。たしかにメタルギアオンラインという、オンライン専用のタイトルも存在するが、携帯機によるアドホック通信での多人数プレイは、モンスターハンターポータブルシリーズと同じ面白さをユーザーに提供する。これは評価できる部分だ。
この今までのシリーズにあまり見られない新しい部分で、私が「なるほど」と思った部分が、志願兵を集めるリクルートシステム。
無線LANを利用したシステムだが、これ、無線LAN環境を持っていない人でも使えるという部分で、私はすべてのPSPユーザーに恩恵をもたらす素晴らしいシステムだと思う。
通常、無線LANを利用したプレイというのは、ほとんどの場合、協力プレイや対戦といった、互いに無線LAN環境を持っていて、ネットワークを利用するというプレイだ。
だが、このMGS PWにあるリクルートシステムは、自宅に無線LAN環境がなくても全く問題ない。
PSPを持っている。ただこれだけで利用可能で、無線LAN環境が構築されているアクセスポイントを見つける事ができれば、その時点で成立するシステムなのである。
つまり、自宅に無線LANがなくても、ちょっとした住宅街や繁華街などにPSPを持ち出してリクルートシステムを展開すると…乱立している無線LANアクセスポイントを見つけると、その時点で(おそらく自動生成)志願兵獲得ミッションが生成され、それをクリアすれば志願兵を獲得する事ができるのである。
アクセスポイントを見つけると、そのネットワークに参加する必要もなく、ただ「見つけた」というフラグが立ち、そこで志願兵獲得ミッションを生成する…多分それだけのシステムだ。
だが、それができるだけで、普段ネットワークプレイなんてしたことがない人でも、ちょっとだけネットワークを使った気分にさせてくれる。
しかも、このリクルートシステムで獲得できた志願兵は、普通のミッションでフルトン回収した兵士よりスキルなどを持っていたり、能力が高かったりする事が多い。
それだけでも、やってみる価値のあるシステムと言える。
ちなみに私が仕事中(ぉぃぉぃ)に、車で埼玉の某地域を走っている時に何度かリクルートシステムを走らせてみたところ、マクドナルドがあるところではほぼ確実にミッションが自動生成された。
他にもファミレスや喫茶店など、無線LAN環境がありそうなところで片っ端にやってみたところ、わずか1時間ほど(もちろん車で走りながらだが…)で30~40人くらいの志願兵を獲得できた。
コレ、都会に住んでいる人なら、次々と獲得できるのではないだろうか。
普段、PSPでネットワークプレイなんかしないという人でも、ちょっとやってみると面白いと思う。
直接なネットワークプレイとは違うが、これも新しいネットワークの使い方のような気がする。
何もネットワークに参加して他の人と何かする…という事でなくてもいいと思う。
ドラクエのすれ違い通信の場合、相手が必要であるため、地域によって偏りが出たりする。それをドラクエ世論なんて言い方で分析したりしているが、分析はいいとしてもプレイしているユーザーからすれば、不公平を多少なりとも感じる事になる。
しかし、MGS PWのリクルートシステムであれば、ランダム要素は強いものの、そうした地域差は出ない。
ちょっと面白いシステムだと思った。
そう考えると、このMGS PWは従来のメタルギアシリーズとはいろんなところで違いが出ている。
スニーキングミッションが少ないと感じる人もいるだろう。ボスとの戦いばかりが目立つという人もいるかもしれない。
いろんな新しい試みを搭載した今作は、それでもメタルギアシリーズに新しいシステムをもたらした。
そういう新しいシステムを取り込んで、次回作はもっと面白くなって欲しい。
私はそう願っている。