先日、SONYのカナル型イヤフォンの新型であるEX600とEX510を紹介した。
特にEX600は値段も2万円台半ばとちょっと高級志向のイヤフォンだが、その値段とあまり変わらない価格帯で、今度はスタジオモニターイヤフォンが発売される。
発売されるのは型番「MDR-EX800ST」と、末尾にSTが付く。これはやはりスタジオの略なのか?
イヤフォンとしての特性は以下。なお括弧内はEX600である。
密閉ダイナミック型(密閉ダイナミック型)で、CCAW採用の16mm径ユニット(16mm径のML振動板ユニット)を搭載している。再生周波数帯域は3Hz~28kHz(4~28kHz)で音圧感度は108dB/mW(107db/mW)。最大入力は500mW(200mW)でインピーダンスは16Ω(32Ω)となっている。
こうしてEX600と比較してみると、結構違うものである。
どちらが良いか? というのは個人差もあるため一概には言えないが、EX800STの方が高耐入力仕様であり、やはりスタジオ向きと言える。
価格的にはEX600が24,675円だったのに対し、EX800STは25,200円とかなり近似値。
だが販路は全く異なり、EX600は一般民生品であるのに対し、EX800STはPA機材や楽器と同じ販路となる。ちなみに保証も異なり、業務用のEX800STは初期不良を除きすべて有償対応となる。
EX600とはまた異なる方向性のEX800STだが、どちらが良いのかは本人次第だ。
個人的にはEX800STの出音がかなり気になるところである。
あと注意して欲しいのは、プロ用だからといってEX800STの方が優れた音が出るという事はないという事。
プロ用となると、ほとんどの人は「良いモノ」というイメージがあるが、この認識は間違いである。プロが使うものというのは、業務として割り切れるものと考えたほうがいい。
つまり、価格と比較して妥当な音が出る、という事である。
民生品より多少優れているかなと言えるのは耐久性で、優位な点といえばそれぐらいである。
プロが使って良い音が出るヘッドフォンというのは、価格的にもっと上にある。それこそ10万円を超えたりするのが普通で、そうなると姿そのものの格が全く異なるシロモノである。
なので、今回のEX800STは価格的にEX600とそんなに変わらない所からみて、それぐらいの音と同等という事である。
ただ、EX800STはコードがY型になっていたり耐久性がよくなっていたりと、民生的な使い方とちょっと違う部分で個性が出ている製品と見たほうがいいだろう。
大部分の人はEX600の方が安心して購入できるはずである。
ただ、コードはY型がいいという人はEX800STを考えてみてもいいかもしれない。