噂によると、どうもニンテンドーDSiは生産終了したらしい。
要するにニンテンドー3DSが順調に量産体制に入っているという事でもあるわけだが、DSファミリーの中でも孤高の革命児だったDSiだが、残るは店頭在庫のみという事になる。
DSiがそれまでのDSと決定的に違っていたのは、ファームウェアを搭載していたという事と本体内に不揮発性メモリを搭載していたという事だ。
このファームウェア上でWi-Fiなどの設定も保存する事が出来、本体内の不揮発性メモリによってDSウェアをダウンロードできた。このDSウェアがどれほどの販売数なのかは未だ分からないが、iPhoneやiPadのアプリと同じような価格で遊べるゲームが主体だった。
これは同時に任天堂がネットでソフトを販売するという事の試験的な意味を持っていたのだろうと思う。
Wiiにもバーチャルコンソールというのがあるが、携帯機でのソフト配信販売というのは固定機以上に敷居が高い。その為、実勢を調べる意味でその一端をDSiが担ったのではないかと思う。
また、これらの機能を持っていた事でDSiにはブラウザが搭載されていた。今にして思えば、タッチパネルで操作できるプラウザとして完成度は高かったように思う。
このDSiの後にDSi LLが発売したが、中身はほとんど同じ。サイズが大きくなり液晶が大きく見やすくなったぐらいの違いしかない。
この大きさの違いでDSi LLは賛否両論あるようで、携帯する事を大前提にしている人からは不評だったよようで、DSiの需要はそういう所に集まった感じがある。ま、ラブプラスなんかをプレイする人はDSi LLを絶賛しているようだが…個人的にはDSiは名機だったように思う。
それと、DS LiteとDSiの大きな違いの一つにサウンドがある。
DS Liteは小型化の際に一つ犠牲にしたものがあり、それがサウンドの音量だった。そのため、音を少しでも聞き取れるように左右に6個ずつ小さな丸穴を開けていた。ところがDSiは左右に1個ずつ丸長穴が開けられたのみだ。
これはニンテンドー公式サイトの“社長が訊く”で語られていた事だが、穴の数を減らしたのはデザイン的要因だが、DSiはコーデックIC(デジタル信号をアナログ信号に変換するIC)が新しくなり、音が格段に綺麗にかつ大きくできた為、穴数を減らしても問題ないという判断かららしい。
要するに、この音関係も含めてDSiはDS Liteとは搭載された部品品質が一段上だったと言える。
実際、処理速度もDS LiteとDSiでは異なっていて、DS Liteで一瞬もたつく処理もDSiなら難なくこなせるというゲームもあった。AQ INTERACTIVEから発売されたKORG DS-10というシンセサイザーソフトがあるが、このソフトの後継であるKORG DS-10 Plusは旧DSシリーズとDSi以降で再生できる音数が異なっている(事実上2倍差)。
その後に発売されたDSi LLも中身は同じである(おそらく液晶だけはLLの方が高品質かもしれない)。
そういう意味ではDSという最も普及したデバイスのターニングポイントにあった個体であり、その性能を今大きく変えようとしているのがニンテンドー3DSだと言える。
ちなみに前述の“社長が訊く”では既にニンテンドー3DSの記事が存在する。
糸井重里氏を交えた対談になっているのだが、作り手とそれを感じ取った側の話の一端が見えるのではないかと思う。
私もニンテンドー3DSに搭載されるであろう3D液晶を半年前に見てきたが、飛び出るというよりは奥行きを感じる見え方だった事を覚えている。
今後はこの3DSが主体になっていく事は間違いない。何しろ3DSは2D表示にする事もできるため、価格面を除いてDSシリーズを継続していく必要がない。なので何れDSi LLも生産中止になるだろうと思う。
なにはともあれ、任天堂の中では試験的な意味合いを背負った名機ニンテンドーDSiが姿を消す。
DSi LLより小さなDSiが欲しいという人は、まだあるだろう在庫を探してみてはどうだろうか。