先日から既に手元にあったのだが、まだ視聴していなかったのでまどか☆マギカのBD版第1巻をGWというタイミングで観た。
既にこの第1巻には不具合がある事が公式で告知されており、今年の11月末日まで交換対応を受け付ける事が発表されている。
その不具合のあった箇所含めて、今回はじっくり観ていきたい。
第1巻は、第1話と第2話が収録されている。
巴マミファンの私としては安心して観ることのできる鉄板仕様だ(爆)
今回の第1回と第2回は観ていない人にもこれは言えるが非常に安心して観ることのできる回と言える。第3話目以降の事を考えると、ある意味、もっとも魔法少女モノらしい回でもある。
しかし、世間で言われている通り、まどか☆マギカは普通の魔法少女モノとはかけ離れている。なので今回の第1話と第2話がイレギュラーであるため、BD版やDVD版が初めてという人はコレの展開が通常展開だという風には思わない方がいいだろう。
内容について話をすると、まだ観ていない人にはネタバレにもなるので、そこは触らず、BD版に収録されている内容についてちょっと触れておこう。
BD版は完全限定生産という名目で作られているため、特典がいくつかある。
BDディスクに収録されているものとしての特典は、オーディオコメンタリーがある。
このオーディオコメンタリーは鹿目まどか役の悠木碧さんと暁美ほむら役の斎藤千和さんがラジオのような流れで進行していく展開で、毎回ゲストを呼んで作品の事について語っていく、というスタイルを採っている。
第1巻では美樹さやか役の喜多村英梨さんが登場し、収録現場の事やキャストを決める際のオーディションの事などを話していた。
私もかつてそういった業界の中にいた者として言わせてもらうと、このキャストを決めるというのは本当に悩むもので、オーディション中やサンプル音源を聞いている時はどの候補者の声を当ててもそんなに違和感を覚えないのである。というのは、キャラクターに明確な方向性を持たせていたとしても、声優という職業に就く人のほとんどは実に器用な方々で、その方向性に合わせた声をちゃんと出してくるのである。だからどの声を当てても極端なミスキャストというのは起きないのだ。その中で的確なキャストを決めるというのは実に難しく、今回のオーディオコメンタリーでも語られている通り、当初予定していた流れと逆に予定外の配役にしてしまう事も多々ある。もっとも、そこまで器用な声優ではない人(つまり新人など)をキャストしなければならない時には、ここまで迷う事もないし、また候補の中に合うと思う人がいなければ他を当たるなんて事もある。
第2話のオーディオコメンタリーのゲストはキャラクターデザインの蒼樹うめさんが登場、オリジナル作品の中核に携わった立場でのコメントをしている。
この第1話と第2話のオーディオコメンタリー両方に言える事なのだが、語っている人たち全員が、ネタバレしたくてもできない状況が多く、非常にもどかしそうな所がある。
当然テレビシリーズは完結しているのだが、まだ観ていない人もいるわけで、そうした人を意識したコメントとなれば、説明しようがない所も多々ある。これはこの作品の作りがそうした謎が回を重ねる毎に明らかになっていく流れだから、どうしようもない事なのだが、そういったもどかしさも、このコメンタリーの面白さの一つかもしれない。
このオーディオコメンタリーの他の特典として、ドラマCDが付いてくる。
残念ながら…このドラマCDはテレビ本編第10話を観るまでは聞かない方が良いかもしれない。というのも、中身は…いや、ココでは語らない方が良いかもしれないので割愛。ただ、ネタバレ的な所から始まる内容(というか、多分意味が全くわからないと思う)なので、せめて第10話を観てから聞くのが良いだろう。その方が納得して聞くことができる。
他には限定版のみのブックレットもあるが…実はこのブックレットは交換対応品である。
前述したが、今回の完全限定版のBDとDVDには、一部台詞にミスがあり、交換対応となっている。ブックレットも誤植があるため同時に交換対象となっている。
とまぁ、作品としては最高の出来ではあるものの、今回の第1巻は交換という問題を抱えた。こういうパッケージングのミスは中身の制作に携わる者とは全く無関係であり、ある意味良い迷惑なのだが、そういう所がスポンサーでもあるため、制作陣からすると何ともいたたまれない感じではないかと思う。
こういうパッケージングミスは、発売元の制作部隊に責任がある。
今回の台詞ミスなどは、マスタリングチェックの時に見つかって当然のこと。映像制作側が台詞挿入ミスをやらかしたのも事実だが、そのミスを防ぐのが最終的には発売元のパッケージ制作担当にある。その担当は最終的に仕上がったマスタリングディスクを最終チェックしてBDマスターとして完結させる責任があるのだ。今回は、その最終チェック段階で絶対に見つからなければならないミスだ。限定版のブックレットの誤植にしてもそうだ。パッケージ制作担当が最終チェックでちゃんとミスをはじくことが出来ていれば、今回のような事は起きない。というか、それを起こさせない為にパッケージ制作担当がいるワケで、今回の出来事は仕事をしていなかったのか? と疑われても仕方がない。
ま、以前同じような仕事をしていた為にかなり辛口な言い方をしているが、仕事責任という分類で言えば、まさしくそうなのである。
最終的に残念な形ではあるものの、中身は最高の出来である事に変わりはない。
まだ観たことがない人はぜひ何らかの形で観てもらいたい作品である。
魔法少女という言葉の響きに騙されてはいけない。ちいさい女の子に見せてしまえば夢を失うかもしれない作品だが、視点というものが如何に大切か? という事を教えてくれる作品でもある。
刮目して観よ。