以前からNikon発のミラーレス一眼デジカメが登場する、という噂が流れていた。
その噂が流れた時は、Nikonからは公式見解としてそうした噂の事実はない、としていたが、本日その噂のミラーレス一眼機発売を発表した。
エントリー機種と上位機種の2種類が発表され、どちらも新しいNikon1マウントという規格の交換レンズを採用している。
Nikon1シリーズは“スーパーハイスピードAF CMOSセンサー”や最適化された画像処理エンジン“EXPEED 3”を採用するレンズ交換式デジタルカメラで、この部分はエントリー機も上位機も変わりがない。
エントリー機はカラーリングが豊富に用意されEVF非搭載、上位機はブラック・ホワイトの2色でEVFを搭載している、という違いがあるが、そもそも中身がほぼ同じである事から、使用する人がEVFを必要とするかどうかで選んでしまって問題ないような気がしないでもない。
こちらがエントリー機の“Nikon 1 J1”で、実にシンプルなデザインでまとめられている。
カラーリングも実にカジュアルで、ピンクのみ限定数量となる。
こちらが上位機種の“Nikon 1 V1”で、EVF搭載。
価格差はボディ単体で約3万円の違いと見られている。
どちらを採るかはお好みで問題ないだろう。
どちらもNikon1マウントの交換レンズを使用可能と前述したが、そのNikon1マウントに通常のNikon Fマウントを接続可能にするマウントアダプターは12月に発売されるという。
こうなると、多大な資産をもつFマウントレンズが使えるというとてつもないメリットがこのNikon 1 J1とNikon 1 V1にはあるワケだが、その点だけで考えてもオリンパスのPENシリーズなど先行したミラーレス一眼デジカメよりアドバンテージがあるのかもしれない。
それと今回のNikon 1 J1及びNikon 1 V1の他ミラーレス一眼デジカメと決定的に違う所だけ話しておくと、このNikon1シリーズは他ミラーレス一眼デジカメが採用するコントラストAFだけでなく、撮像面位相差AFを採用、世界最速AFを実現し、また世界最多のフォーカスポイント73点を謳うスペックを誇る。光量の少ない暗所ではコントラストAFに自動的に切り替わるハイブリッドなAFを採用しているのも特徴となっている。
スペックなどの詳細は以下公式サイトの製品紹介を見てもらうとして、Nikonがあえてミラーレス一眼デジカメの世界に入り込んできた事を考えると、デジカメの世界はもうある意味飽和状態になったのかな、と思えてくる。
今やスマートフォンのカメラの性能や使い勝手の良さを考えると、コンパクトデジカメの必要性というのは限りなく薄いように思えるし、そのスマートフォン
のカメラとの差を付けるためにレンズ交換式にする、という付加価値をもってデジカメを発売しないと、消費者の食指が動かない時代に突入したのかもしれな
い。
ただ、その場合に一眼レフデジカメほど大きなサイズのカメラはいらない、となると、ミラーレス一眼デジカメがもっともニーズに対応した存在、という事をNikonも認めたのかもしれない。
現にオリンパス、パナソニック、Sony、PENTAXと続き、今度はNikonが参入である。この市場でデジカメは生きていく事を選択したのではないかと思えてならない。
どちらにしても、選択肢が増える事は消費者にとっては良いこと。
一眼デジカメが欲しい人は、自分に適した1台を見つけ購入する事ができれば良いのではないかと思う。
Nikon 1 J1 製品情報
http://www.nikon-image.com/products/camera/acil/body/nikon1_j1/
Nikon 1 V1 製品情報
http://www.nikon-image.com/products/camera/acil/body/nikon1_v1/