大昔は紙だった。
それが磁気を利用したいろいろなデバイスに置き換わり、その時点でも画期的だった。
最初は磁気テープ。音楽にも使用するカセットテープをデータ用として使うようになったのはその中でも後の方だと思うが、ゲームプログラムをロードするのに30分くらいかかるケースもあった。
そこから磁気ディスクが出てきたとき、パソコンを使う人々は奇跡を見た。
今まで数分~数十分かかっていたものが、長くても数分、数十秒、短ければ数秒で終わるのである。磁気メディア革命とも言えたかもしれない。
いわゆるフロッピーディスクが台頭するまでにもいろいろなタイプの磁気ディスクがあった。中でも有名なのがファミリーコンピュータのディスクシステムにも技術採用されたクイックディスクというもの。ただファミコンのディスクシステムのディスクカードは正確に言えばクイックディスクではないのだが、その技術的な仕様は全く同じであった。
その後の磁気ディスクはフロッピーディスクと呼ばれるものが主要となる。
8インチディスク、5インチディスク、他、2インチディスク、3インチディスクなんてのもあった。その後、その中で最後まで生き残ったのがシャッター付で堅牢なスタイルを持つ3.5インチディスクなのだが、この3.5インチディスクをベースに、大容量化した時代に対応するためにスーパーディスクなんてのも発売された。
結局、今でもそれなりに残っているのは、3.5インチディスクのみではないかと思うが、その3.5インチディスクも、徐々に姿を見なくなり、そろそろ3.5インチディスクの存在を知らない世代が出てくる頃ではないかと思う。
時代も進化したなぁ…と思うのと同時に、随分と短期間にこれだけメディアが移り変わったな…と思わざるを得ない。当初はキロバイトという単位すら大きいと感じ、それがいつしかメガバイトという単位へと移り変わり、気がつけば今現在はテラバイトである。
さすがにテラバイトくらいの大きさになると、磁気メディアで活躍出来そうなのはテープストリーマくらい(それでもギガバイト単位レベルでの対応だろう)しかないわけだが、今日のネタはそんな話ではなく、純粋に3.5インチディスクの話。
3.5インチディスクとそのドライブを利用して愉快な事をしている人がいたので紹介したい。
…ベイダー卿も真っ青だな、こりゃwww
ポーランドのAGH科学技術大学の学生が夏休みに作ったもので、2台のFDドライブを使用してマイコンでそれらの磁気ヘッドを制御しているのだそうだ。
単にリズムだけでなく、メロディすらも再現しているところがスゴイ所で、派手に音階が移動しない曲であれば、他の曲もいけそうな感じがしないでもない。
2台を使用しているのは、そのメロディ部とベース部を分けている為。別々に制御しているという実に細かい芸を見せてくれている。
というか、随分と才能の無駄遣いのような気がしないでもないが、学生の夏休みの自由研究という感覚ならば「まぁコレもアリか?」と思えてくるから面白い。
ただ、実際にやっていることを厳密に考えていくと、結構な事をやっているのも事実で、デバイスコントロールがちゃんと出来ているからこそ、これが可能なのである。何と言っても、音の高低差は回転数を変えての制御らしい。リアルに考えてもかなり高度な事である。
ぜひ、これらの才能を活かして世に貢献できるものを編み出して欲しいところである。
これらダースベイダーの曲、実は5インチディスクで再現した人が昔いたそうだし、3.5インチドライブ1基で実現した人もいるそうである。ニコニコ動画に上がっているものはその1基バージョンである。
ネタとしては過去にも存在していたのかもしれないが…マネしろと言われてすぐできるものでもないし、そういう意味で考えれば、このポーランドの学生は確かにスゴイのかな?