Miniという車がある。
2000年まではイギリスのブリティッシュ・モーター・コーポレーション(以下BMCと略)が販売していたが、今はBMWが販売している。明確にはこの2社から発売された車は違うモノ…と分類できるかもしれないが、そもそもMiniは1959年にBMC傘下のオースチンとモーリスから発売された車で、その後数々の吸収合併でブランド名が変わりながら40年以上発売されつづけてきた大衆車である。
途中には日本企業がその権利を取得して製造するなんて話もあったが結局は実現しなかった。和製Miniも見てみたい気もするが、この車は日本車でなくて良かったと思えるデザインとセンスがある、と私は思っているので、結果的にはコレでよかったと納得している。
というのは、Miniは駆動方式がFFという事もあり、そのサイズ含めて日本車としてマッチングしやすいタイプであり、もし日本車として発売してしまうと、あらゆる所に日本テイストが入ってしまい、外車という概念そのものが覆ってしまう可能性がある。特に外車特有のシートや内装へのこだわりが日本車になった途端になくなってしまう事もありうる話。コレはコレでよかったのである。
そんなMiniだが、来年1月14日~22日にアメリカデトロイトで開催される“2012年北米国際自動車ショー(デトロイト・モーターショー)”において、今年の10月に発表があった“Miniロードスター”を世界初公開する。
スタイリングを見ても実にスバラシイ。
リアシートの背後にはロールバーを備えており、高級感を感じさせる。
またリアデッキを備えており、独立した240Lのトランクルームを持っている。トランクルームはスルーローディングシステムを備え、長尺物も積むことができるというから、オープンだから積載性が…という事もあまりない。
しかもリアデッキには80km/hで自動展開するアクティブスポイラーがオプション(ジョン・クーパー・ワークスは標準装備)で用意されている。このスポイラーを展開すると40kgのダウンフォースが発生するというから、スポーティな走りに随分と貢献するだろう。
このMiniロードスター、パワーユニットなどの違いから全部で4車種用意される。
詳しい事はコチラのサイトを見てもらいたい。スペックなどが掲載されている。
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独BMW、2シーターオープン「MINIロードスター」
このMiniロードスターだが、私的には日本のコペンと似た分類という感じがしている。
コペンもFF2シーターオープンなワケだが、今現行で2シーターオープンという日本車はマツダロードスターとコペンしかない。そしてFFとなるとコペンしかないワケで、車格の違い等を考えると、上にMiniロードスター、下にコペンといった並びになるのではないかと思う。
なのでFFという駆動方式を受け入れる事ができる人であれば、コペンより上位グレードが欲しいという人はこのMiniロードスターが良いのではないかと思う。
ただ…私なら2シーターオープンとしてならやはり駆動方式はFR、もしくはMRが欲しい所だ。となると…手が出る範囲の車だとマツダロードスターぐらいしかない(だからといって買えるワケではないのだが…)ワケで…なんとまぁ選択肢の少ない世の中になったものか…(中古車含めればもっとたくさんあるにはあるんだが)。
マツダからは1.3Lクラスの新型ロードスターが出るような話もある。デミオに搭載した1.3LのSKYACTIVエンジンを搭載する…という噂もある(噂の領域でしかないが)。デミオに搭載したエンジンだとすると…これはFFになるという事か?…だとしたらイヤだなぁ。
そしてHONDAからも1.3Lクラスのビートが開発中であるような話も出ているが、その詳細は至って不明で、以前のようなMRになるのかもまだわからない。FFのビートは見たくないなぁと思いつつも、CR-Zの一定の成功を見ると、新型ビートもその流れになりそうな気がしてイヤな予感がしてならない。もしFFなら…せめてビートの名を冠しないで欲しいところである。
そのHONDAだが、今回のBMWのMiniロードスターと同じくデトロイト・モーターショーで“ある車”を公開するという。
その車というのが日本を代表するスーパースポーツ“NSXコンセプト”で、長い間開発凍結となっていた新型NSXである。
公式リリースでは「世界中で愛され続けているスポーツカーのフラッグシップモデルの名前とDNAを受け継ぎ、お客様のニーズと技術の進化に合わせた次世代のスーパースポーツとして開発を行っています」と、開発に着手していることを正式にアナウンスしているのだが、問題は“お客様のニーズと技術の進化に合わせた次世代のスーパースポーツ”という言葉だ。
ニーズはいいとして…問題は“技術の進化に合わせた”という部分であり、これって…ひょっとするとハイブリッド? とか考えたりするワケである。
もしそうだとしたら…ホントに時代が変わったんだなぁと実感してしまうワケで…。
ちなみに、国内最高峰レースであるフォーミュラ・ニッポンでも、電動アシスト機能である“アシスト-E”というシステムが開発されている。これはドライバーが任意のタイミングでモーターを動作させて駆動をアシストする機構で、現在導入されているオーバーテイクシステムに近い運用になるだろうと言われている。
別にエコを意識したモノでなく、純粋にオーバーテイクの駆け引きをより面白くする為のシステムという事らしいが…レースの世界でも電動アシストの時代に突入という事はもう避けられない方向性なのかもしれない。
ま、話はそれてしまったが、Miniロードスターはそのスタイリングは独特で実によくできた車だ。
ま、今の20代~30代ならMiniロードスターでも特別困る事はないのではないかと思う。
他と違った車を持ちたい、という人は狙ってみても良い車ではないだろうか。