今、巷で東京ディズニーリゾートのCMが話題になっている。
東京ディズニーリゾートにやってきた女の子の人生(の一部)をアニメ化したCMなのだが、このCMに随分と違和感を感じたりする。
ディズニーのCMなのに、どうしてディズニーアニメじゃないんだ?(爆)
このCM自体は、いつ来ても楽しい東京ディズニーリゾートという意味が込められているのだと思う。その意味で考えれば良く出来ていると思うし、日本人受けする作画ではないかと思う。
だが、アニメといえばディズニーのハズである。24コマフルアニメのディズニーアニメは世界のアニメーションの頂点といわんばかりの宣伝文句のハズなのだが、出来たCMはディズニーのタッチすら感じられないもの。
いいのか? ディズニー?w
まぁ、作画がどうとかいうのはこの際置いておいて、こういう人生を扱うCMというのはどこか人の心に訴えるものがある。おそらく時を視覚化しているからだとは思うが、感慨深いものが他にもある。
たとえば東芝のLED電球のCM。
LED電球の寿命である10年を切り取ったものだが、10年は日数にすると3,186日ある。このCMは途中をいくつか飛ばしているかもしれないが、実際には3,186コマ分の絵が撮影されていて、それがカレンダーのように並べてある広告というものが存在した。
2011年8月1日から8月19日まで、東京・有楽町マリオン1階センターモールに展示された10年カレンダーがその広告なのだが、それを動画としたのが上記動画である。
この広告は“カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル”そして“アウトドア部門 ゴールド”を受賞したもので、東芝の広告としては実にセンセーショナルなものだった。
ある一定の時間を切り取ったCMとしては、こんなのもある。
大成建設のCMで、監督は“秒速5センチメートル”で一気にメジャー化した新海誠監督。
このCMはボスポラス海峡トンネル篇で、他にはこんなのもある。
これは新ドーハ国際空港篇である。
新海誠監督つながりでこんなのも。
これは信濃毎日新聞のCM。まぁ人生をアニメ化している、というよりは日常をアニメ化しているといった方がしっくり来るかもしれないが、方向性は同じだろう。
私が新海誠監督を知ったのは、2000年のプロジェクトチームDoGA主催のCGアニメコンテストの“彼女と彼女の猫”という作品で、その後、監督が独自で制作した作品“ほしのこえ”で私の中ではプレイクした。
新海監督の良さがわからない、という人もいるようだが、こういうのは感覚的なものなのでわからない人にはわからない。作品の中身という意味では私もアヤシイものである。
だが、監督の構図の採り方が私は好きで、美術という部分(人物以外の背景や構造物など)で見ると実に素晴らしいと思えてくる。
それがCMになったのだから、私が見入ってしまうのも仕方のない話である。
こうしてみると、アニメによる訴求力によるものなのか、他CMとコントラストの違いがハッキリ出てより感慨深いCMになっているような気がするのは私だけだろうか?
もしこれらのCMが実写だったら、騒がれる事もなく、また注目される事もなく過ぎ去ってしまっていたように思う。
いろんな捉え方があるとは思うが、今回の東京ディズニーリゾートのCMも、アニメにした効果は大きいように思う。少なくとも日本では。
海外でどういった評価が成されるのかはわからないが、これらのCMを日本独特のCMとして私は評価したい。